Sun Java Studio Creator 2、日本語版の使用感はいかにレビュー(2/3 ページ)

» 2006年03月09日 12時45分 公開
[きしだなおき,ITmedia]

 エディタ機能では、名前の変更などの簡単なリファクタリング機能が実装された。リファクタリング機能は、コードの変更した際に影響がある部分を自動的に修正する機能である。また、import文の自動補完にも対応した。名前が解決できないクラス名からパッケージを検索して自動的にimport文を挿入してくれる機能だ。

 ただし、どちらの機能ももはやJava開発ツールでは当たり前の機能と言えるだけに、やっと実現されたという感じもある。最近の開発ではもはや必須となったバージョン管理にも対応している。Studio Creator 2では、CVSとVisual Source Safeに対応した。

WebサービスやEJBコンポーネントの利用

 Studio Creatorでは、以前のバージョンからWebサービスの利用ができるようになっていたが、今回のバージョンからはEJB 2にも対応した。

 複雑なビジネスロジックなどはEJB 2として実装することができるわけだ。ただし、Studio Creator 2ではWebサービスやEJB 2の開発を行うことはできない。比較的高度な開発は、ほかのツールと連携する必要があるのだ。

 以前はEJB 2の開発には高価な開発ツールを利用するか、手書きで時間を掛けて行うかしかなかったが、NetBeans 4.1などオープンソースのツールでもEJB 2開発が行えるようになってきた。従来よりも身近になっているといえるだろう。

オリジナルコンポーネントの充実

 Studio Creator 2の肝ともいえるコンポーネントは、大幅に拡張されている。

 従来バージョンでは、JSFによるビジュアル開発を早期に実現することが優先されていたため、JSF標準コンポーネントだけが用意されていた。しかし、Studio Creator 2では独自のコンポーネントが用意された(画面3)。ボタンやドロップダウンリストなど基本コンポーネントを拡張したものを始め、ツリーやカレンダー、ファイルアップロードなどが用意されている。

画面3■Studio Creator 2の独自コンポーネント

 表コンポーネントも機能やデザインが向上したものが用意されている(画面4)。データの一覧を表示するだけであれば、コードを一行も記述せずにドラッグ&ドロップだけで実現できるのだ。このコンポーネントのためにStudio Creator 2を使うのもよいだろう。

画面4■表コンポーネントの例

Ajaxにも対応

 最近のWebアプリケーションでは、高度なユーザーインタフェースを実現するAjaxが注目されている。実際に開発するにはJavaScriptやHTML、通信内容などを考慮しなければならないが、誰もが気軽に実装できるというものではかった。

 Studio Creator 2ではこのAjaxに対応しており、対応コンポーネントも開発中である。現時点ではサンプルとして補完候補コンポーネントが同梱されている。

画面5■Ajaxコンポーネントによる入力補完

 このコンポーネントを使うと、イベントハンドラに次のようなコードを記述するだけでAjaxを利用した補完候補が表示できるようになる(画面5)。

String[] candidates =

{"Eclipse3.0", "Eclipse 3.1", "NetBeans4.1", "NetBeans5.0"};

for(int i = 0; i < candidates.length; ++i){

if(candidates[i].startsWith(prefix)){

result.addItem(candidates[i]);

}

}


 このコンポーネントはコンポーネントライブラリマネージャからajax-components-0.96.complibをインポートすることで利用できるようになる。このようにAjax対応コンポーネントを使うことでJavaScriptや通信内容などを気にすることなく、手軽にAjaxを使ったWebシステムを開発できるようになった。

 Ajaxの開発には課題がある。それは次の通りだ。

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