運用管理ツールによるサーバとネットワークの管理運用管理ツールで何ができるのか(1/3 ページ)

「なぜ運用管理ツールが必要なのか」では、運用管理の局面で発生するさまざまなトラブルに対し運用管理ツールが有効なことを簡単に解説したが、今回はサーバとネットワークの運用に関して、どのように運用管理ツールが役立つのかを少し具体的に見てみよう。

» 2006年03月27日 07時00分 公開
[ITmedia]

このコンテンツは、オンライン・ムック「運用管理ツールで何ができるのか」のコンテンツです。関連する記事はこちらでご覧になれます。


サーバ業務を確実に実行するためのジョブスケジューラ

 まず、サーバの運用を考えてみよう。サーバ上で業務を運用する際に問題になるのが、処理の実行タイミングである。たとえば、図1に示したアプリケーションでは、プログラムAが終了すると、ファイルXに結果を書き出す。それを機にプログラムBとCが並列に実行され、ファイルXおよびYからそれぞれデータを読み込む。その処理結果をプログラムDに入力して処理を行い、最終結果がファイルZに書き出される。

図1 よくある業務の流れ

 ここで、プログラムBとCが両方正常終了したあとにプログラムDを実行したい。しかし、プログラムB、Cが必ずしも同時に正常終了するとは限らないため、2つのプログラムを監視し、ともに正常終了した場合に限ってプログラムDを起動するように制御する必要がある。

 このようなアプリケーションの運用を実現するには、運用管理ツールが便利だ。イベント機能が提供されているツールであれば、専用のプログラムを開発しなくても、監視と実行タイミングを制御できる。このように、プログラムの実行タイミングを監視して、業務を実行するツールを利用すれば、運用ミスも少なくなり、実際の作業効率もアップするだろう。

 また、サーバは、常に停止と電源の停止に備える必要がある。24時間365日、業務が稼働し続けるサーバは現実的にありえない。どんなに堅牢なサーバでも定期保守は必要だし、そのためには業務を止めてサーバをリブートするタイミングも発生する。このようなときに問題になるのが、サーバ間で連携しているアプリケーションへの影響である。

 例えば、バッチ処理を担当する「サーバ1」と、帳票出力を担当する「サーバ2」が別々のサーバに分かれているとしよう。バッチ業務アプリケーションが正常終了したからといって、サーバ2の電源を切ってしまったら、実はサーバ2のスプールにたまっていた帳票を印刷し終えていない状態だったということがあるかもしれない。反対にサーバ1を先に止めてしまうと、サーバ2で障害が発生した場合、サーバ1のアプリケーションを再度実行できずに作業が遅れてしまう。つまり、すべての印刷が正常に終了して初めて両方のサーバが停止できるのである。サーバを停止するタイミングを自動化するには、アプリケーションを監視して正常に処理が終了したかを確認することが不可欠なのだ。

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