次に、ITインフラの管理について考えてみよう。ITインフラの管理は範囲が広く、サーバの管理、ネットワークの管理、クライアントの管理など、多岐にわたる。また、管理する項目ごとの範囲も、性能面、障害面、資産面など幅広い。そのために、それぞれの範囲をカバーする各種運用管理ツールがある。ここでは、サーバ、ネットワークに関する管理、特に業務に大きな影響を与える性能面と障害面について考えてみよう。
ネットワーク機器の状態を監視
ネットワークに関するトラブルで多いのが、クライアントがネットワークに繋がらない、つまり接続しても通信ができない、ということだろう。その原因の大半は、途中のルータやハブなどネットワーク機器の電源が切断されている、ネットワーク機器が保守モードになっている、ケーブルがネットワーク機器やサーバから脱落している、業務サーバがダウンしているなどといった障害である。そして、その際の障害発生場所の特定に威力を発揮するのが、ネットワーク管理ツールである。
ネットワーク管理ツールは、ルータやハブなどネットワークに接続されている機器を認識して、ネットワーク管理図を作成する。そして、定期的に各機器の状態を確認し、障害が発生した場合、その機器のアイコンの色を変えるなどの方法で異常を知らせる。さらに、メールなどで管理者に通知するようにもできる。
サーバ上のプロセスを監視
また、サーバは動作しているが、その上で動作しているデータベースやWebサーバなどのソフトウェアがダウンしていることに起因する障害もある。この問題を解決するのが、プロセスの死活監視である。サーバ上で稼働している重要なプロセスを監視し、ダウンなどの障害を検知したら通報するようにしておく。通報方法はネットワーク障害と同じように画面のアイコンでもよいし、メールと連携させてもよい。この2つの対策を実施するだけで、多くのネットワーク障害を迅速に発見し、原因を特定できるようになる。
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