その結果、具体的な支援策としては以下のものがある。
政府系金融機関や中小企業基盤整備機構が有利な金利で設備資金などを融資する。
信用保証の特例(普通保証等の別枠設定、新事業開拓保証の限度額拡大など)、IPAによるソフト開発・購入資金・ソフト開発者の教育等資金における無担保の債務保証制度など。
連携規約作成・新商品開発・マーケティングなどについて3000万円を限度とした補助が受けられる。
中小企業投資育成株式会社からの株式、新株予約権、新株予約権付社債などの引き受け。
一定の成長が見込まれる中小企業者で、機械装置など1台の取得価格が280万円以上(リースの場合は総額370万円以上)の場合、30%の特別償却または7%の税額控除が受けられる。
研究開発事業に掛かる特許申請の際の審査請求料・特許料(第1年〜第3年)が半額。
「認定を受ければ中小企業のビジネスが活性化されるのではなく、市場性や販売ルートの開拓に向けたフォローアップが重要となる。2005年4月に新連携が施行されてから、これまでに全国で約4600件の相談が寄せられ、そのうちの162件が認定されている」(久保氏)
新連携に関しては、全国10カ所の新連携支援地域戦略会議事務局や、各地方経済産業局で相談窓口を開設している。
一方、中小企業のIT化支援として、最もポピュラーだった「IT活用型経営革新モデル事業」(モデル事業)が昨年度で終了し、2006年度からは「中小企業戦略的IT化促進事業」(促進事業)と名を改めて開始されることになった。この事業の目的は、中小企業が3分の1以上を占めるコンソーシアム、または中小企業単体が、ITを活用して経営革新を行うことにより、ほかの中小企業にもモデルケースとなるような取り組みに対して、情報システムなどの構築に向けた開発、導入に掛かる経費の一部を助成することで、中小企業の経営革新を促進することにある。
この促進事業の特徴は、従来までと同様の支援内容を持つ「経営革新支援事業」と、新たに設けられた「EDIシステム等促進事業」の2本柱となったこと。採択される条件には、これまで通りに新規性や実効性が求められるが、アイデアに優れ経営革新効果が見込める取り組みなら広く採択する方向だという。
また、従来のIT活用型経営革新モデル事業にあった事前調査事業枠が廃止となった代わりに、今回新設されたEDIシステム等促進事業に事前調査研究枠を設けている。今回、わざわざEDIシステムなどの導入を促進する背景には、大手企業に比べて対応が遅れているEDIの普及とともに、EDIだけではなく、ICタグの利用を促進する目的もある。ただし残念ながら、EDIシステム等促進事業に関しては中小企業単体での申請はできず、構成員の3分の2が中小企業者であるコンソーシアムか、組合、連合、団体に限っている。もっとも、単独でICタグの導入を考えている企業は、経営革新支援事業の方に応募する道がある。
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