Microsoftは「Windows Compute Cluster Server(CCS)2003」のリリース候補版の提供を開始した。IBM、Hewlett-Packard、Dell、NEC Solutions Americaなどの大手OEMと、主要インターコネクトベンダー各社が同製品のサポートを発表した。
ハイエンドのクラスタリングソフトウェア市場への参入を目指すMicrosoftは5月8日、「Windows Compute Cluster Server(CCS)2003」のリリース候補版の提供を開始した。この製品は、業界標準のx64プロセッサ用の64ビットOSである。
さらにMicrosoftは同日、CCSとは対極的な位置にあるソフトウェアとして「Windows Small Business Server 2003 R2」のリリース候補版も発表した。
Windows CCSは今年の夏にリリースが予定されており、Microsoftにとってマイルストーンとなるものだ。というのも、同社は、オープンソースのLinuxが主流となっている市場への参入に出遅れたからである。
しかし、MicrosoftはHPC(High Performance Computing)だけでなく、広範な科学技術コンピューティング分野に長期的にコミットするつもりだとしている。
Microsoftは、CCS 2003では64ビット版のみをリリースする予定。同バージョンは、CCS 2003のベースとなるWindows Server 2003 Service Pack 1がサポートするすべてのハードウェアプラットフォーム上で動作する。
MicrosoftのHPC担当ディレクター、キリル・ファエノブ氏によると、IBM、Hewlett-Packard、Dell、NEC Solutions Americaなどすべての大手OEMに加え、主要インターコネクトベンダー各社が同製品のサポートを発表したという。
「ハードウェアパートナー各社と協力して、個別の市場シナリオに合ったシステムを開発した上で、主要アプリケーションのベンチマークおよび証拠作りを行うつもりだ」とファエノブ氏は話す。
「Microsoftの戦略はLinux/オープンソースコミュニティーを狙ったものなのか」との質問に対し、「Microsoftは(この分野では)戦略そのものを持っていない」とファエノブ氏は答えている。
マサチューセッツ州ケンブリッジにあるグローバルコンサルティング/エンジニアリング会社でシステムマネジャーを務めるデビッド・ロバート氏のように、Linuxよりも使いやすい製品をMicrosoftが開発するのを期待しているユーザーもいる。
ロバート氏によると、共有ファイルシステムを使用するOracleの3ウェイ型クラスタをLinux上でセットアップするのは、「マニュアルが不十分であったり、われわれのバックアッププログラムとの互換性問題などがあったりして、非常に骨が折れた」という。
「この分野では、MicrosoftはきっとLinuxよりも良いものを提供できるはずだ」(同氏)
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