IBM、磁気テープで記録密度の世界記録達成

IBM研究所は富士フイルムのナノキュービック技術を利用して、1平方インチ当たり66億7000万ビットの記録容量を実現した。

» 2006年05月17日 08時11分 公開
[ITmedia]

 米IBMは5月16日、リニア磁気テープを使ったデータ記録密度の世界記録を達成したと発表した。コンピュータ業界で古くから利用され、現在でも手ごろなストレージ技術である磁気テープに、今後何年にもわたって容量を拡大できる可能性があることが実証されたと説明している。

 米カリフォルニア州にあるIBMのアルマデン研究所は、テストテープで1平方インチ当たり66億7000万ビットの容量を実現した。これは現在業界で最も標準的な磁気テープ製品の15倍の密度になるという。

 記録達成に当たり、IBMでは新しいデータ記録技術を複数開発するとともに、富士フイルムのナノキュービック技術を利用して、デュアルコーティングの磁気テープに高密度データを保存する次世代技術の共同開発に当たった。

 これにより、磁気テープを使ったデータストレージが、ほかの技術に対するコスト上の優位性を今後何年にもわたって維持できることが実証されたとIBM。

 製品化は約5年以内に実現の見通しで、業界標準サイズのLinear Tape Open(LTO)テープカートリッジで最大8兆バイト(8Tバイト)の未圧縮データを保存できる可能性がある。これは現在のLTO-Generation 3カートリッジの20倍の容量に当たるという。

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