6月2日まで開催中の「LinuxWorld Expo/Tokyo 2006」では、ソリューションとしての観点からLinux/オープンソースをとらえた展示が中心となっている。メイドも登場するなど、見るべきポイントは少なくない。
6月2日まで開催中の「LinuxWorld Expo/Tokyo 2006」。昨年と比べるとスポンサー、出展企業の数が減少傾向にあり、少しさみしい印象も受ける。Linuxディストリビューターでブースを構えているのもノベルだけだ。
今回のLinuxWorldは、正直言って何か新しいものを見たい、という人にはあまりお勧めできるイベントではない。これは、かつてのように、安い(らしい)のでLinuxを導入するという時代から、システム全体における最適解を求めてLinuxやオープンソースを検討する時代に入ってきたことも影響しており、新機軸をここで打ち出すというよりは、Linux/オープンソースソフトウェアを必要に応じて組み合わせたソリューションを紹介する場になってきたからだ。
とはいえ、会場を見て回ると、今年のキーワードのようなものが見えてくる。それは、「仮想化」「運用管理」だ。仮想化は今年から来年にかけて注目の技術となることが予想され、各社ともに仮想化ソリューションを展示している。一例を挙げれば、デルのThinPCソリューションなどがそれだ。これは、通常のPCからHDDを外したディスクレス端末(OptiPlex)と、仮想化されたHDDイメージを使って一元管理が可能な一種のシンクライアント環境を提供するものだ。
仮想化への技術シフトの中、仮想化技術を得意とするベンダー、例えばVMwareがプロビジョニングやリソース割り当てといった領域までもサポートし始めている中、UNIXやWindowsほど成熟していないLinux環境にフォーカスしたシステム管理ツールを提供するベンダーも増えてきている。この4月に国内でも販売を開始したLevantaは、Linux管理アプライアンス「Levanta Intrepid M」を展示し、実際にプロビジョニングする様子などを目にすることができる。また、Levanta同様Linux管理ソフトウェア/アプライアンス「Open Country OCM 3.0」を提供するOpen Countryも出展している。Open Countryのビジネスディベロップメントコンサルタントの平井健二氏によると、同社は間もなく日本でも本格的にビジネスを展開する予定だという。
両社の違いを挙げるなら、Levantaが比較的小規模な環境でのLinux管理環境を提供しているのに対し、Open Countryでは、ソフトウェア・スタックの設定、ノードまたはノードグループに対する特定のハードウェアまたはソフトウェア構成の検索、複数のノードの構成比較も可能になっている点だろう。サポートしているLinuxディストリビューションも多岐にわたり、商用Linuxディストリビューターが提供するサブスクリプションだけでは得られない広範かつ容易なLinux管理を可能にしているとOpen CountryのCOO(最高執行責任者)のローラン・ジハーダ氏は話す。インドでは教育現場で一元管理のために用いられているほか、IntelでもISV向けのラボ環境の管理にOpen Countryを利用しているという。
Levanta、Open CountryともにWindowsクライアントには対応していないが、OpenCountryでは年度内に対応予定であるとしている。また、Solarisにも対応予定であるという。
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