躍進を遂げるJBoss(2/3 ページ)

» 2006年06月14日 20時07分 公開
[eWEEK]
eWEEK

 JBossの行く末に関するうわさが飛び交い、多数のメディアが買収企業の第一候補はOracleだと報じていたころのことを、フルーリ氏は振り返って次のように語った。

 Red Hatがおよそ3億5000万ドルでJBossを買収することが決まるまでに、買収を試みる可能性のある企業についてさまざまに取りざたされたが、「今はすべてが終わり、社内にもRed HatがJBossの落ち着き先となった事実を歓迎するムードが広がっている。顧客の大半も安心感を持っているようだ。いずれにしろ、オープンソース分野を率いる2大企業が1つになるのは、必然的な流れだったといえる」(フルーリ氏)

 同氏はこのほかにも、JBossとRed Hatの合併は、「今後も事業を継続していくという意思表示だ。Red HatはJBossが新たに移行した大規模なプラットフォームであると考えてほしい」と話している。

 JBossがパートナー企業を対象として開発している、買収後最初の製品の中には、Red HatのLinuxオペレーティングシステムにJBossアプリケーションサーバと「Hibernate Persistence」フレームワークをバンドルしたものが含まれているという。フルーリ氏は同製品について、単純明快なサブスクリプションモデルを使用するパートナーに向けたものであり、Red Hat Networkを介してダウンロードおよびアップグレードが可能になると説明した。また、間もなく1SKU(最小在庫管理単位)ごとに利用できるようになること、チャネルパートナーに最適な製品であることも付け加えられた。

 JBossは同カンファレンスで、Web 2.0アプリケーション用のアプリケーションフレームワーク「JBoss Seam 1.0」の一般提供に関する発表を行っている。フルーリ氏は、SeamによってWeb 2.0の世界とサービス指向アーキテクチャ(Service-Oriented Architecture:SOA)の世界が融合するという。Seamは、「JavaServer Faces」および「Enterprise JavaBeans(EJB)3.0」やAJAX(Asynchronous JavaScript and XML)、Javaポートレット、ビジネスプロセス管理、ワークフローなどのSOA技術を統合するものだ。

 Seamを利用すれば、複雑なWebアプリケーションでも、注釈付きのシンプルなJavaオブジェクトを用いて開発することができる。

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

注目のテーマ