セキュリティ界におけるマイクロソフト――つまはじきか主流派か(2/3 ページ)

» 2006年06月16日 19時26分 公開
[eWEEK]
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マイクロソフトのセキュリティ−−障害が多すぎる?

 一方、ニューヨークに拠点を置くデジタル画像専門企業WireImageのソフトウェアエンジニア、ロイ・ザモラ氏は、Microsoftが導入を進めている新セキュリティ機能が、日常業務にどのような影響を与えるかという問題が未解決のままだと指摘している。

 同氏は、Vistaや「SharePoint」サーバの機能については「非常に感心した」と述べた。

 「Web 2.0、Atlas、AJAXを併用した場合にこれらの製品がどのようなことを実現できるのか、とても興味深い」(ザモラ氏)

 「SDLが適用されるようになって、真の技術進展が起こり始めていると感じる。われわれも自社の製品を同様の方法で進化させている」(ザモラ氏)

 だがザモラ氏は、UACなどの新機能の効果に対しては「懐疑的」で、業務を処理する過程に支障が出るかもしれないと疑っているという。

 また、社員が新機能に慣れるまで、一定の猶予期間を設ける必要があるとも話した。

 ボストンを在所とするFederal Home Loan Bankのアプリケーションアナリストであるフィル・ナッシュ氏は、Microsoftの製品に関してセキュリティ上の懸念がいくつか残っているため、同社はアップグレードをWindows XPベースのものに限っていると述べている。

 同氏は、Microsoftが製品のセキュリティを確実に向上させ、サードパーティアプリケーション企業の製品と同等のマルウェア対策技術を提供するという誓約を実行できる保証はないと考えている。

 初期試用ユーザーの経験談から推測するに、Vistaを利用する場合は、慣れ親しんだ従来通りのやり方で仕事を続けるため、一部の新機能を無効にせざるを得ない可能性があるようだと、ナッシュ氏は話した。

 「Microsoftがセキュリティ強化に努めているのは確かだが、裏口はいつでも開いているものだ。これまでもそうであったように、同社のセキュリティ対策機能を回避する方法が必ず現れるだろう」(ナッシュ氏)

 「Microsoftは、新たなマルウェア対策ツールは過去のどの製品よりもすぐれたものになると主張しているが、同社は他のテクノロジー企業を買収し、その技術を取り入れることしかしていない。対策を万全にするには、やはりサードパーティのアプリケーションを補完的に利用する必要がある」(ナッシュ氏)

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