Vistaのセットアップを支える展開テクノロジー(2/3 ページ)

» 2006年06月20日 07時00分 公開
[Michael Cherry,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 Vistaはこれまでのバージョンと比べてモジュール化が進んでいるため、System Image Managerを使用してVistaの機能を定義するすべてのコンポーネント、つまりモジュールの集合としてイメージを表示し(各コンポーネントは、関連ファイルとレジストリエントリのセットとして表される)、アンサーファイルに必要なエントリを作成して各コンポーネントを設定できるようになる。

更新された既存ツール

 イメージベースのセットアップを支援する新しいツールが提供されるだけでなく、WinPEやアンサーファイル、Sysprepなど一部の既存の展開ツールも更新されている。

WinPE
 コンピュータを起動し、ハードドライブのパーティションとフォーマット、サードパーティのデバイスドライバのインストール、ファイルシステムのセットアップ、ネットワークへの接続など基本のセットアップ機能の実行に必要なOSコンポーネントのみを含む最小構成のWindows OSである。WinPEによる基本のセットアップが済むと、ローカルメディアやネットワーク上の場所から残りのファイルをインストールできる。WinPEを使用して、ベアメタルコンピュータ(コンピュータをブートしてセットアップを開始するためのOS機能がまだインストールされていないコンピュータ)をブートし、Windowsのフルインストールを開始することも、ImageXの使用前にマスターコンピュータを起動し、イメージの作成時にマスター上の重要なファイルがすべて未使用な状態であることを保証することもできる。

 現在WinPEは、OEM、システムインテグレータ、エンタープライズアグリーメントまたはソフトウェアアシュアランスを購入しているユーザーにしか提供されていないが、WAIKのコンポーネントとしてすべてのユーザーが利用できるようになる見込みだ。

アンサーファイル(Unattend.xml)
 セットアップ中にユーザーが通常指定する必要がある設定情報を渡してセットアップの自動化を実現する。例えばアンサーファイルを使用して、セットアップの実行中に、Windowsをインストールするドライブとディレクトリ、製品のアクティベーションキーやタイムゾーンなどの情報を渡すことができる。

 これまでWindowsのセットアップには、各インストールにつき複数のアンサーファイル(unattend.txt、sysprep.inf、winbom.iniなど)が必要だった。複数のアンサーファイルに同じ情報が含まれることが多いこと、Microsoftはアンサーファイルエディタを提供していないこと、データを保存するフォーマットがアンサーファイルごとに異なっていることから、これらのアンサーファイルの作成は面倒だった。Vistaのイメージベースのセットアップでは、各インストールにつき単一のXML形式のアンサーファイルが使われる見込みだ。このアンサーファイルは、Windows System Image Managerを使用して作成、変更、管理できる。

Sysprep
 ターゲットコンピュータにコピーされるべきでないユーザーまたはコンピュータ固有の設定データを除去して、イメージの作成に先立ちマスターコンピュータを準備する。例えば、Sysprepを使って、イメージの作成前に一意のシステムID(SID)やアクティベーション情報をマスターコンピュータから削除できる。

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