長期に使えるUbuntu DapperSuper Review(3/3 ページ)

» 2006年06月23日 13時58分 公開
[Joe-'Zonker'-Brockmeier,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine
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Dapperの欠点

 今回リリースされたDapper Drakeには良いことばかりでなく、わずかながら不満もある。Ubuntuの最大の難点は、やはりサウンドである。サウンドは通常問題なく機能するが、複数のアプリケーションが同時にサウンドカードを使おうとすると、処理がうまくいかなくなる。例えば、amaroKでMP3を再生しているとき VMware Workstationを開始すると、/dev/dspがビジーとのエラーが返される。Audacityが開いているとき、amaroKまたはXMMSを使おうとしても同じことが起こる。アプリケーションによっては同時再生がうまくいくこともある。例えば、GaimはamaroKの動作中でもサウンドイベントを再生できるが、それ以外だとそうもいかない。

 これは以前から問題となっていたことで、修正案が出されているが、今回のリリースでは、なぜか対策が講じられなかった。

 Ubuntuのプリンタサポートについては、多くのUbuntuユーザーが不満を述べている。わたしはブラザーの1270Nネットワークプリンタを使用しており、初日からUbuntuで完璧に動作した。わたしがこのプリンタを使うことに決めたのは、Linuxに対応していることが分かっていたからだ。

 今回のDapperにはOpenOffice.org 2.0.2が追加された。これはデフォルトでKubuntuとUbuntuに同梱され、Xubuntuには同梱されていない。Breezyで提供された先行公開版のOpenOffice.org 2.0はややバグが多かった。今回のリリースも少しバグがあるようだ。Excelドキュメントを表示しただけでOpenOffice.orgがクラッシュした。Sun JavaではなくGNU Java Compilerを使用していることが関係しているのかもしれない。

デバイスサポート

 デジタルカメラや音楽プレイヤーなどの人気デバイスをサポートしなければ、Ubuntuといえども一人前のデスクトップOSとは言えない。わたしが試したコンシューマーデバイスに関する限り、Ubuntuはほぼすべてのデバイスで完璧に動作した。

 HFS+フォーマットのiPodを接続すると、RhythmboxまたはBansheeでiPodに保存されている曲をすぐ聴くことができるのには驚いた。RhythmboxとBansheeのどちらもiPodを別の音楽ディレクトリとして開く。Kubuntuはやや興ざめだった。iPodを接続するとダイアログが表示され、そこで新しいウインドウを開くかどうか質問される。KonquerorウインドウにiPod上のファイルが表示されるわけだ。

 Linuxで動くか調べるために、旧式のCreative Labs Nomad Jukeboxも接続した。デフォルトでは失敗したが、Nomad関連のライブラリとGnomadおよびKZenExplorerをインストールしたらうまくいった。わたしはKZenExplorerがことに好きだ。KonquerorからKZenExplorerウインドウにドラッグ・アンド・ドロップするだけで曲をJukeboxに追加でき、任意のディレクトリと同期を取ることができる。まだしばらく使えるかもしれない。

 Ubuntuでは、Konica MinoltaのデジタルカメラDiMage Z20も使えた。ただ、Kubuntuのデフォルトの動作は残念なものだった。Ubuntuの下でUSBコネクタを接続すると写真をgPhotoにインポートするオプションが表示されたのである。

 Ubuntuのデバイスサポートで本当に期待はずれだったのは、Treo 650を接続しても何も起こらなかったことだ。Palm関連の各種パッケージはすべてインストールしたのだが。KPilotは少しは動くが、「Could not start the KPilot daemon. The system error message was: Could not find service 'kpilotdaemon'」というメッセージを出してすぐ止まってしまう。

長期戦の構えはできたか?

 全般的に言って、Ubuntu 6.06 LTSは、堅牢なオペレーティングシステムだ。使いやすく、ソフトウェアの選定は初心者向きで、開発者やパワーユーザーのことも考えられており、だいたいにおいて、すぐ使える。

 わたしは、Ubuntuが、難しい設定なしで使える、真のオープンソースソフトウェアである点も気に入っている。必要ならフリーでないパッケージを簡単に手に入れることもできるが、デフォルトは無料である。

 多少欠点もあるが、Dapperは自宅とオフィスでの使用に耐える堅牢なデスクトップOSだ。Ubuntuは、デスクトップについては3年のサポートを、サーバについては5年のサポートを約束している。経験を積んだLinuxユーザーばかりでなく初心者にもぜひお勧めする。

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