重くなるばかりのIT管理者の責任今どきのバックアップ入門(2/3 ページ)

» 2006年07月10日 08時17分 公開
[堀江徹,ITmedia]

 例えば、バックアップソフトとして日本でもシェアの大きい「Veritas NetBackup」を見てみると、オプション製品としてシステムごとリカバリできる「Bare Metal Restore Option」が提供さている。この機能を使えば、WindowsやUNIXプラットフォームにおいて、システムとデータをより少ないステップで復旧可能だ。また「Symantec LiveState Recovery」では、Windowsプラットフォームを対象にした独自のイメージング技術を使用し、Windows環境での高速なシステムのリカバリを行えるようになっている。

 このようなリカバリ製品を用意しておけば、複雑な構成やアプリケーション環境であっても、システムとデータをより少ない時間で復旧することができるのだ。

図1 ベアメタルリストアの効果

コンプライアンスに適応したデータ管理

 最近では、ITに関連する枕ことばのように使われている「コンプライアンスへの適応」というのも、データ管理において非常に重要な要素だ。日本では、約3000程度の政府省庁の法規制が存在しているが、特にデータの保存期間に関する内容に関しては下記に示したとおり、2、3年とするものから、20年の保存期限を規定するものまでさまざまに存在している。

 日本よりも厳格な法規定を持つ米国では、1万5000を超える法規定が存在しており、違反に対して25万ドルの罰金や10年の禁固刑など、重いペナルティが科されている。このようなことから、特に、情報セキュリティ分野とデータ管理に関しては、ほぼすべてのベンダーがコンプライアンスは企業のIT導入の動機になると考えているようだ。

■データ保存期限に関する法規定

法律/規制など 保存期限
民法商法 等 書類の種類により作成後、5〜20年
電子帳簿保存法 7年
PL法 製造中止から10年
医師法(カルテ、レントゲンなど) 2〜5年
日本証券取引委員会 2〜3年(推奨)

 この連載はデータ管理が主役なので、ここではコンプライアンスに適応したデータ管理の考え方を紹介しよう。先に述べた事業継続計画が「業務を止めない」「業務が止った場合に迅速に復旧する」という受身のアプローチであるのに比べると、コンプライアンスは規定された法令を順守する、という企業戦略の一部としてデータ管理を実践していくアプローチと考えられる。

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