「見える化」のやり方商品企画最前線(4/4 ページ)

» 2006年07月19日 08時00分 公開
[山崎 周,ITmedia]
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3. 組織改革

 業務プロセス改革での検討テーマと以下に示すテーマを対象に、社内組織/社外との連携の2つに切り分け、正式組織化への検討を進めた。

 具体的に、社内組織関連では、集中購買/個別購買品目の峻別の見直し、集中価格折衝組織の設立を行った。また、社外関連では、メーカー、代理店、部門別の全社購入価格調査や、メーカー、代理店相関図作成、対メーカー/代理店への集中交渉型の競合入札会などを開催した。

4. 部品統合DBの構築(サポートシステムの改修)

 まずは「見える化」(既存部品の統合−既存データの可視化イメージ)をテーマに、さまざまなシステムで保持している部品コードを物理的に統合するのではなく、各コードの共通属性を定義し、仮想的な統合を図った。この手法を用いることにより、既存システムの大改修を避け、企業の正しい活動実績を俊敏かつ低コストで把握することが可能であることが判明した。

部品統合データベースの構築

まとめ

 ここまで、部品統合による購買業務改革例を論じた。重要なのは、決してシステム主導でプロジェクトを進めるべきでないことである。業務改革を単なるパッケージのインストールで終わらせないために、まずは、トライアルという形で現状調査を行うべきである。そして、その分析結果に基づく業務や組織改革をコンパクトな範囲で密に、全社横断的な視点で連携しながら行うことが大事である。また、プロジェクト成果の「刈り取り」を短期間で行うことも追記しておきたい。

 次回は、一部の業務に限らず、より広い視野から、PDM、CRM、SCM、ERPを連携するインフラ戦略が必要であることやパッケージ選定などについて、SOAやEA(エンタープライズアーキテクチャ)といった考え方と絡めて紹介したい。

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