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» 2006年07月25日 08時03分 公開

新任のFedoraテストリード、仕事に取り掛かる (1/2)

Fedoraプロジェクトの新任テストリード、ウィル・ウッズ氏は、Red Hatの社内テストツールをFedoraに導入することと、Fedora内における正式なテスト手続きを体系化することに注力している。

[Bruce-Byfield,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 Fedoraプロジェクトの新任テストリード、ウィル・ウッズ氏は、その地位に就いてまだ数週間なのに、もう明確な目標を定めている。SlashdotでFedoraの話が出ると彼はいつもこう指摘する。「FedoraはRed Hat Enterprise Linux(RHEL)のためのRed Hatによるβテストに過ぎないと論う人が必ず出てくるものだが、それは事実に反する。そうした言われなき発言が二度と繰り返されぬようにしたいと思う」

 ウッズ氏は、Red Hatの社内テストツールをFedoraに導入することと、Fedora内における正式なテスト手続きを体系化することで、このような排斥の根を断ちたいと考えている。この目標を達成することで、もっと大規模なテストを徹底的に行うようフリーソフトウェアコミュニティー全体を仕向けることができると期待しているのだ。

 ウッズ氏は、品質保証の専門家になるつもりはなかった。最初にCompaqとIBMでテストの手ほどきを受け、そこで十分経験を積んだ彼を2年前に雇ったRed Hatは、テストの自動化ツールを開発する人材を求めていた。「それが、たまたま得意なことだったに過ぎない。まあ、わたしはこの仕事に突然はまったようなもので、結果的にそれがうまくいったということだ」

 Red Hat在職中、ウッズ氏は同社の品質保証の急速な進化を目の当たりにしてきた。「そこに問題があることは誰の目にも明らかだったが、RHEL向けにリリースしてきた製品の品質がどんどん高くなっていることを実感した」

 ウッズ氏は、この改善がおおむね自動化の進展によるものだと考えている。RHELの各バージョンのサポート期間が7年、更新が年4回、対応アーキテクチャが7種類との数値を挙げながら、「テストすべき製品の分量が信じがたい速度で増大しているが、まだ余裕がある。われわれが進めてきた自動化のおかげだと思う」と語る。

 しかし、この改善はFedoraにはまだほとんど及んでいない。現在のところ、「Fedoraのテストは、その場しのぎ的だ」と彼は認める。「テストすべき項目の一覧がFedora wikiに掲載され、それを残らずテストする体制にはなっているが、公式のものでない」

 新しい地位に就いたウッズ氏の課題は、この状況を変えることだ。「Red Hatから給料をもらっているが、基本的にわたしはFedoraプロジェクトのためにだけ働いている」

Red Hatの社内ツールへの一本化

 5月に開催されたRed Hat Summit 2006での発表に従い、Red Hatは同社の社内テストツールを108プロジェクトの名の下でフリーソフトウェアコミュニティーに公開しようとしている。新しい地位に就いたウッズ氏の最初の仕事は、これらのツールをFedoraの開発に導入することだ。ウッズ氏によれば、RHELから上流へテストを改善するのはRed Hatの業務の流れから当然のことだが、これはツールをコミュニティーに導入する方策の1つでもあるという。「Fedoraプロジェクトに導入すれば、オープンソースコミュニティーの一部となり、ほかのディストリビューションやオープンソースプロジェクトで利用できるようになる」

 ウッズ氏がFedoraに導入しようと考えているツールの1つにdogtailがある。Pythonで記述されたGUIテストツールであり、テストを自動化するフレームワークを提供するものである。この基本ソフトウェア自体は先のSummitより以前から無料で提供されていたが、今回Red Hatは社内で使用しているスクリプトの一部をdogtailとともに公開しようとしている。

 さらに重要な点は、まもなく「Red Hat Test System」と改名されるものをRed Hatが公開することだ。「これはエンタープライズ版のすべてのLinux製品の開発で使われている自動テストシステムであり、われわれが実務で手に入れることができるほぼすべてのものである。ビルドしたツリーでわれわれが必ず実行する回帰テストと機能性テストで構成される。わたしに与えられた最初の課題は、この自動テストスイートの穴を塞ぐことだ」とウッズ氏は言う。彼の説明によれば、これらの社内テストの中にはRed Hatの提携先の資産がふくまれているからだ。この最初の作業が完了した段階でWoodはFedoraに完全に特化したテストラボをRed Hat社内に立ち上げることになっている。

 ウッズ氏にとって、これらのテストツールを一般に供することは、Fedoraばかりでなくフリーソフトウェアコミュニティー全体のテスト手続きを改善する極めて重要な一歩である。「フリーの開発ツール全体を俯瞰したとき、これらのツールの意義は単にソフトウェアのテストにとどまらない。フリーソフトウェアコミュニティーにおけるテストの現状は、diffのような基本的なツールさえ整備されていない開発現場のようなものだ」と彼は言う。

 「余裕のある人は同じ事態を招かないものだ。よりよいツールを提供できれば、事態は変わる。それこそわれわれが取り組むべきことなのだ」

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