ID管理成功の秘訣は「まずは目標を限定せよ」ヒット商品分析●アイデンティティ管理ソリューション(3)(1/2 ページ)

日本版SOX法への関心の高まりとともに、ID管理ソリューションに対するユーザーの関心度が急激に高まっている。各ベンダーの戦略を探ってきたが、最後に日本CAの取り組みを紹介するとともに、市場の今後の展望と今後のID管理の取り組み方についてレポートする。

» 2006年08月03日 10時52分 公開
[越後耕一,アイティセレクト編集部]

1200以上のマネジメント製品群が強み

 多くの企業が来るべき日本版SOX法への対応に試行錯誤を重ねる中、日本CAにも以前にも増して問い合わせや相談の連絡が入ってきているという。

 「パートナー様経由、あるいは直接お問い合わせをいただくこともしばしばです。当社は約1200あるソフトウェア製品のほとんどがSOX法に対応できるものと位置づけています」と語るのは、マーケティング部ビジネスユニット・マーケティング、マーケティングマネージャーの金子以澄氏だ。

 金子氏によれば海外市場で上場している日本企業でも、思わぬところで新たな対応を迫られているケースがあるという。例えば、業務アプリケーションや自社開発の基幹システムにおいて、プログラムの改ざんや不正な操作を行われていないという証明ができないケースなどだ。

 「財務系のシステムのプログラムを改ざんして、不正な財務処理をすれば表面上では異常を発見できないこともあります。外からの不正というよりも内部からの不正ですね。これが厳しくチェックされ、決して不正をしていないというログを見せる必要がある場合など、そこまで対応している企業はそれほど多くないのではないでしょうか」と金子氏は語る。

 CAは2006年1月に「CA Identity Manager r8.1」をリリースしている。これまでIDとアクセス管理に関してアイデンティティ・アクセス管理、IAM(Identity and Access Management)というカテゴリーで多岐にわたる製品群を提供してきたが、「CA Identity Manager r8.1」はその中核となる製品である。

 ユーザーへのアプローチとしてはどんなものになるのだろう。「製品としてはあらゆるセキュリティマネジメントに対応できるものを取り揃えていますが、導入については慎重さが必要になります。システム全体を包括的に見て行く必要があるので、環境調査、アセスメント調査には時間をかけています。社内にもセキュリティマネジメントの専門家がいますし、また、コンサルティングパートナーとの協力体制も作っています」(金子氏)

今後5カ年の経営重点目標の一つにアイデンティティ アクセス管理分野を掲げている日本CAだが、同社の強みは「ハードウェアを選ばない、中立的な立場でお客様に最良のソリューションを提供できること」(金子氏)だという。あらゆるレイヤに対応する必要があるID管理ソリューション分野で、同社の持つ強みがどこまでユーザーを惹きつけるのか、今後を注目していきたい。

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