Borland、Turboツールを復活(1/3 ページ)

Borland Softwareの開発ツールグループは、同社の原点に立ち戻り、「Turbo」ブランドの製品を再び投入する考えだ。Windowsと.NETアプリケーション向けのIDEであるBorland Developer Studioのコンポーネントの単一言語版を発表する。

» 2006年08月08日 16時16分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 Borland Softwareの開発ツールグループは、同社の原点に立ち戻り、「Turbo」ブランドの製品を再び投入する考えだ。初心者やノンプログラマーに加え、プロの開発者も対象としたツールを提供するという。

 カリフォルニア州クパティーノに本社を置くBorlandによると、学生、ホビー開発者、企業内開発者、個人のプロフェッショナルプログラマー向けに、特定の言語をベースとする低コストのRAD(Rapid Application Development)ツールセットとしてTurboブランドを復活させるという。

 身売りされることが決まっている同社の開発ツールグループは8月8日、MicrosoftのWindowsと.NETアプリケーション向けのIDE(統合開発)であるBorland Developer Studioのコンポーネントの単一言語版を発表する。

 Borlandで開発者関連業務担当副社長兼チーフエバンジェリストを務めるデビッド・インターシモーヌ氏によると、新たに投入するTurbo製品セットには、「Turbo Delphi for Win32」「Turbo Delphi for .Net」「Turbo C++」「Turbo C#」が含まれるという。各バージョンには2つのエディションが用意される。無償ダウンロード版の「Turbo Explorer」と有償版(価格は500ドル以下)の「Turbo Professional」である。

 「Explorerエディションで、初心者、学生、ホビイストに加え、ある程度のプログラミングを行う必要がある非従来タイプのプログラマー、スキルセットを強化するためにほかの言語を習得する必要がある人々など、広範なユーザー層をターゲットとするつもりだ」とインターシモーヌ氏は話す。

 Borlandの開発ツールグループの製品管理担当シニアディレクター、マイケル・スウィンデル氏によると、Turbo Delphi、Turbo Delphi for .Net、Turbo C++およびTurbo C#は、今年7〜9月期にリリースする予定だという。Borlandでは、学生向けにこれらの製品のProfessionalエディションのアカデミック価格(100ドル以下)も用意する。詳しい情報は同社のサイトに掲載されている(www.turboexplorer.com)。

 インターシモーヌ氏によると、Borlandでは新ツールセットを投入することにより、開発者のすそ野を広げるだけでなく、プログラミングを楽しいものにする考えだという。

 「これらの製品のリリースとともに、多数のビデオや記事、チャレンジ、コンテスト、チュートリアルなどを提供することにより、プログラミングを学べるということだけでなく、プログラミングが楽しいものであることを、特に初心者やノンプログラマーに示したい」(同氏)

 Borlandによると、同社が1983年にリリースしたTurbo Pascalは、最初のIDEの1つとみられており、PC上でのソフトウェア開発に革命をもたらしたという。同社がTurboブランドを復活させるのには、開発ツール部門のスピンオフに備えてツール事業にてこ入れしたいという狙いがある。

 「このブランド自体は古典的だが、新しいTurboシリーズの技術と機能は最先端を行くものだ。しかも、これらは非常に強力な開発ツールでもある。このプロフェッショナルツールには、Borland Developer Studioと同等の機能セットが含まれている」とスウィンデル氏は話す。

 スウィンデル氏によると、各エディションでは、GUIアプリケーション、データベースアプリケーション、Webアプリケーション、Webサービスアプリケーションを迅速に開発することが可能だという。Turbo DelphiとTurbo C++はネイティブコードコンパイラを使用しており、Windowsプラットフォーム用のハイパフォーマンスアプリケーションを作成できる。Turbo Delphi for .NetとTurbo C#は、.NETフレームワークとASP.NETフレームワークを開発ターゲットとしており、GUIアプリケーションおよびWebアプリケーションを開発することが可能だという。

       1|2|3 次のページへ

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

注目のテーマ