ここまでくれば日本語表示もできますし、時間も自動で調整してくれます。また、root(管理者)としてログインしなくても「sudo」で管理コマンドを使用することもできるので、簡単な設定はほぼ完了です。ここからはユーザーの管理を行うコマンドを解説します。
さて、Windowsでもユーザーを追加する際にはユーザー名やパスワードなどの設定が必要であるのと同じようにLinuxでも必要です。ただ、GUIではなくCUIで操作するだけの違いですので、コマンドさえ覚えておけば困ることはないでしょう。
上記はユーザーアカウント「test」、ホームディレクトリは「/home/test」UID「1212」所属グループ「hoge」を作成します。
ここで、UIDの説明をしましょう。
Linuxではユーザーごと、グループごとにIDが振り当てられています。このIDを管理者が指定することで自由に設定が可能になっており、どのユーザーが使用しているプロセスかを判断する材料の1つとして使用します。
UIDは、ユーザーごとに異なる数字を設定します。UIDに0を指定してしまうと、rootと同じ権限を持ったユーザー(スーパーユーザー)という意味になります。
ユーザーアカウント「test」を削除し、ホームディレクトリの中にあるファイルもすべて削除します。
ユーザーアカウント「hiroyuki」のパスワードを変更します。
ただし、一般ユーザーの場合はカレントユーザーのパスワードしか変更することができないので、コマンドは「passwd」だけでも実行可能です。しかし、root(管理者)の場合はユーザーアカウントを指定してパスワードの変更を行う必要があるので注意してください。
最後に、ユーザーを追加する際にあったホームディレクトリについて解説します。WindowsでいうMy Documentに近い使い方をされるディレクトリのことを指しています。基本的にはユーザーごとに作成され、「/home」配下にユーザーアカウントと同じ名称のディレクトリが作成されます。
通常の使用方法としてはデータファイルを保存する場合や、コンパイルする際のテンポラリとしても使用する場合がありますが、特に用途は決まっていません。各ユーザーが自由に使用することができるディレクトリです。
今回の解説でディレクトリの場所がいくつか出てきました。一般的にLinuxではディストリビューションに関係なくデータは用途別に決められた場所に保存されています(以前はディストリビューションごとに異なっていましたがFHSという標準仕様に従って徐々に統一化され始めています)。
ここでは簡単によく使用されるディレクトリをピックアップして紹介しておきましょう。
ディレクトリ名 | 使用目的 |
---|---|
/bin | バイナリのコマンドファイル |
/boot | 起動時に必要なファイル |
/dev | デバイス |
/etc | 各設定ファイル |
/home | ホームディレクトリ |
/usr | ユーザーが使用するようなファイル |
/var | 動的に内容が変化するファイル、ログファイルなど |
これ以外にも細かく仕様が決められていますので、パッケージを設定する際にはできるだけこれらの仕様に沿って、設定したほうが後々管理しやすくなるでしょう。
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