Firefoxの最新状況Trend Insight(2/2 ページ)

» 2006年08月15日 16時47分 公開
[Joe-'Zonker'-Brockmeier,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine
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JavaScript 2.0への移行

 JavaScriptが結局おもちゃの言語に過ぎなかった当時は、Webページの見栄えが多少派手になればよく、それ以外のことはどうでもよかったのではないか? そんな時代ははるか昔のことで、シュレーファー氏によれば、この言語は将来もっとずっと堅牢になるという。

 Firefox 2.0にはJavaScript 1.7が組み込まれることになっている。JavaScriptとしては約6年ぶりのメジャーアップデートだという。

 JavaScript 2.0も開発中だ。シュレーファー氏によれば、「現在、標準化団体で検討されている」という。具体的には、Ecma InternationalがECMAScriptという名前で標準化を進めている(ECMAScriptではまるでニキビ薬のようなので、Mozillaプロジェクトがオリジナルの名前から離れられないのも無理はない)。

 標準化作業が完了すると、JavaScript 2.0がメジャーアップグレードとなり、クラスベースの継承、静的な型チェック、ループイテレータの構文が盛り込まれる。シュレーファー氏によれば、設計の見直しで「実行時よりもむしろコンパイル時のエラー捕捉が容易になる」ともいう。JavaScript 1.7の位置づけは、「JavaScriptアプリケーションの作成を容易にする糖衣構文」を備えたJavaScript 2.0の「小型版」となるようだ。

 JavaScript/ECMAScriptのメジャーアップグレード間隔が長いのは言語として多少安定してきた結果とも言える。JavaScriptを用いたサイトがInternet ExplorerまたはMozilla/Netscapeでまともに動くかどうかは、ブラウザをサポートする開発者の意向次第といった時代があったことを忘れることはできない。Firefoxの開発者が参入した現在、ほかのブラウザはどうしているのか?

 シュレーファー氏によれば、その仕様は「多数参加」であり、標準化作業が完了した暁には、大半のブラウザベンダーがその標準を実装するものと「十分期待している」という。最近、Microsoftは業界標準の良き支援者になろうと努力しており、この標準を彼らが採用することは「大いなる希望」とも述べている。しかし、Microsoftの具体的な確約は得ていないことを彼は認めている。

Firefoxのスケジュール

 まだリリーススケジュールは確定していないが、Firefox 2.0が「今年終わりまでに出荷されることは間違いない」という。beta 2は秋ごろに出る。

 これと並行して3.0 の開発も進められており、2007年のどこかで登場するはずだ。3.0の機能セットはまだ漠然としているが、アーキテクチャの変更によりグラフィックサブシステムがアップグレードされるという。また、2.0シリーズで出場枠外とされた改良版のブックマークシステムが盛り込まれるようである。

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