ここまで変わるVista/Longhornのネットワーク、残る課題は?(3/5 ページ)

» 2006年08月17日 07時00分 公開
[Michael Cherry,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

ネットワーク構成の一元管理を強化

 Windows VistaとLonghorn Serverにおける管理機能面での強化点は、IPv6(Internet Protocol version 6)のネイティブサポート、新しいワイヤレスアーキテクチャ、新しいネットワーク診断フレームワーク、グループポリシーを使用してWindows Vistaのネットワーク構成を一元的かつ定期的に管理する機能が挙げられる。

IPv4とIPv6の統合

 新しいTCPプロトコルサポートでは、これまで独立していたIPv4とIPv6のプロトコルスタックを、共通のフレーム層とトランスポート層を共有するデュアルIPレイヤアーキテクチャに統合している。これにより、IPv4とIPv6の両方に対応するアプリケーションの開発が容易になる。

 既定でIPv6が有効になり、IPv4とIPv6の両方の構成を1つのダイアログボックスから設定できるようになるため、IPv6の展開と管理作業が簡素化される。

新しいワイヤレスアーキテクチャ

 Windows Server 2003とWindows XPでは、ワイヤレス接続インフラストラクチャは、イーサネット接続をエミュレートするデザインだった。Longhorn ServerとVistaでは、IEEE 802.11(Wi-Fi)ワイヤレス接続のソフトウェアインフラストラクチャは、有線接続に使われるIEEE 802.3とは別のメディアタイプとしてデザインされており、ワイヤレス接続の認証、承認、管理を行うコンポーネントが用意される。

 つまり、Microsoftが提供するインタフェースが増え、メーカーやアダプタごとに専用のドライバや構成ツールを用意する必要がないため、ワイヤレスハードウェアベンダーは、これらの機能を各社のワイヤレスネットワークアダプタドライバに(重複して)実装する必要がなくなる。

ネットワーク診断フレームワーク

 Windows VistaおよびLonghorn Serverでは、拡張可能な新しい診断フレームワークを採用し、ネットワーク接続の問題の解決と復旧を支援する。TCP/IPベースの通信の場合は、ユーザーに一連のオプションを提供して、考えられる原因を絞り込み、問題の根本的な原因を特定(または、考えられる原因がすべて該当しないことを確認)できるようにしている。このネットワーク診断フレームワークでは、以下を含めて200を超えるエラーの原因を診断することができる。

  • IPアドレスが正しくない
  • デフォルトゲートウェイ(ルーター)が利用できない
  • デフォルトゲートウェイが正しくない
  • NetBT(NetBIOS over TCP/IP)名前解決エラー
  • DNS設定が正しくない
  • DHCPクライアントサービスが実行されていない

ポリシーベースのネットワーク管理

 Windows Longhorn ServerおよびVistaでは、グループポリシーを使用して、以下の設定を一元的に設定・管理できる。

QoS(Quality of Service)
 QoSポリシーを使用すると、送信ネットワークトラフィック全体の伝送レートを指定したレート以下に制限できる。伝送の優先順位を指定するには、DSCP(Differentiated Services Code Point)値によりトラフィックをマークし、ネットワークインフラストラクチャ内のルーターが、DSCPによりマークされたパケットを優先順位が付けられたトラフィック用のキューに配置できるようにする。

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