サン、「Java ME」のオープンソース化計画を公に認める(1/2 ページ)

Sunは「Java ME」仕様の実装を今年末までにオープンソース化する計画を立てているという。同社が、Javaのオープンソース化計画の対象にJava MEが含まれていることを公に認めたのは、今回がはじめて。

» 2006年08月17日 11時48分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 Sun Microsystemsの幹部が8月14日に明かしたところによると、同社は「Java ME(Micro Edition)」仕様の実装を今年末までにオープンソース化する計画を立てているという。

 同社が、Javaのオープンソース化計画の対象にJava MEが含まれていることを公に認めたのは、今回がはじめてだ。

 これまで同社は、「Java SE(Standard Edition)」(「JDK」と呼ばれることもある)仕様実装のオープンソース化を進めているとだけ述べていた。

 今回はこれと同時に、Java SE実装のオープンソース計画に関する情報や、ニュースおよびユーザーの意見をまとめ、掲示板機能も提供する新たなWebサイトの開設が発表された。

 8月15日から17日の間、サンフランシスコで年次カンファレンス「LinuxWorld」が開催されるが、これに先駆けて記者会見を行った同社のモバイルおよびエンベデッド部門担当副社長のアラン・ブレナー氏は、「Java MEはオープンソースJavaに含まれることになる。現在は、Java SEのオープンソース化とともに、諸問題を解決しつつその作業を進めているところだ。プロジェクトの進捗状況については、全過程を通して情報公開に努める所存である」と述べた。

 ブレナー氏は、Java MEをオープンソース化することで、エンベデッド開発分野への新規参入企業が増えるばかりか、さまざまなメリットが生まれると話している。「Java MEのオープンソース化によって、エンベデッド分野の次世代アプリケーション開発コミュニティーはより強固に、かつ活発になると信じている」(ブレナー氏)

 Java SEに関しては、Sunは今年末までに「Java C(Java Compiler)」および「HotSpot」仮想マシンの2種類のコードを、さらに2007年初頭には残りの多数のコードをオープンソース化する予定だと、同社の開発者向け製品およびプログラム部門担当副社長のローリー・トールセン氏は話した。

 またeWEEKによるインタビューに応じた同氏は、「Sunは、これらのコードをスタンドアロン技術としての動作が可能な独立したパッケージとしてリリースするすべての権利を、確実に有していると言える」と答えた。

 トールセン氏は、「Sunが所有権を持っていないJavaコードは、オープンソースとしてリリースするわけにはいかない。『Font Rastarizer』技術などがその代表例」と前置きした上で、一部のJavaコードはバイナリ形式でのみの提供となるが、開発に利用することは100%可能だと述べている。

 現時点でオープンソースソフトウェアとして利用できるFont Rastarizer風の技術は、Javaに含まれているものほど洗練されていないので、Sunはまずこれをバイナリコードとしてリリースし、技術がこなれてきた時分にオープンソースソリューションと置き換えていく可能性があると、トールセン氏は説明した。

 Sunは、「Open Java」にOSI(Open Source Initiative)認証ライセンスを適用する方向で検討を進めていると述べているが、具体的にどのライセンスを採用するのかは明らかにしていない。トールセン氏によれば、「GNU GPL(General Public License)」や、「Open Solaris」が準拠している「CDDL(Common Development and Distribution License)」が候補に挙がっているという。マルチライセンスの採用も考慮されているが、複雑性が増すおそれがあるため、好ましい選択肢だとは言えないと同氏は述べた。

 Java開発コミュニティーは活況を呈しており、エコシステムの性質も完全に異なるので、Javaのオープンソース化がSolarisのケースと同様の経緯をたどるとは考えられない。「ライセンスに対する要件もまったく別物なのだ」(トールセン氏)

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