分散ストレージグリッドやバックアップ分野を狙うオープンソースプロジェクト(2/2 ページ)

» 2006年08月21日 11時31分 公開
[David Morgenstern,eWEEK]
eWEEK
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 グラッドウィン氏によると、分散ストレージシステムのテストをするのは容易ではないが、グリッドアーキテクチャを通じてサービスを提供するプロジェクトや商用事業にとって、テストは非常に重要だという。

 「この夏は、ストレージグリッドをテストするためのツールの開発に多くの時間を費やした。このツールを別プロジェクトとして公開する可能性もある」とグラッドウィン氏は話す。

 会場内のもう一方のコーナーでは、Amanda Projectとその商用版プロジェクトであるZmandaがブースを構えていた。

 Zmandaの幹部によると、バックアップソフトウェア「Amanda Enterprise Edition」の最新版ではSUSE Linux Enterprise 10プラットフォームをサポートするという。また同社は、Novellの「Market Start」チャネルプログラムのメンバーに認定された。

 Zmandaのブースでは、同ソフトウェアで予定されている改良として、新しいGUIなどのデモが行われていた。

 Zmandaのチャンダー・カントCEOによると、同社では、ユーザーが特定のオープンソースアプリケーションをバックアップするのに利用できるモジュールを開発中だ。これらのモジュールは、Amandaのネットワークベースのバックアップ機能とは独立したものになるという。

 「これらのモジュールは、Zmanda Recovery Managerと呼ばれる」とカント氏は話す。これらのモジュールがあれば、ユーザーはほかのソフトウェア、例えばVeritas NetBackupなどを利用してネットワーク上でアプリケーションをバックアップできるようになるという。「APIはすべて公開し、ディスクのフォーマットもすべて公開する」と同氏。

 カント氏によると、Zmandaは、新しいWeb 2.0アプリケーションを運用している企業のニーズに対応することを目指しているという。

 「Web 2.0アプリケーションから動的に作成されるコンテンツ、例えばWikiのコンテンツなどの重要性が高まっているが、大手ベンダーはこういったコンテンツのバックアップに注力していない。われわれがターゲットにしているのは、まさにこの分野だ。というのも、こういったデータは一般に、MySQLを使用したオープンソースソフトウェア上で生成されているからだ」とカント氏は説明する。

 さらに同社は、7〜9月期にリリースを予定している新しいZmanda管理コンソールのコンセプトも披露した。カント氏によると、これはWebベースのコンソールで、Ajax(Asynchronous JavaScript and XML)およびYahoo!が最近オープンソース化したライブラリを使用するという。

 「このコンソールは、LinuxやUNIXの知識がなくても簡単に使えるものにしたいと考えている」と同氏は話す。インタフェースの開発にあたり、同社はApple Computerの元プログラマーを雇い入れた。

 「バックアップソフトウェアをコモディティ化するだけでなく、それを低価格で実現したいと考えている。われわれは差別化を図りたいのだ。ZmandaはVeritas NetBackupよりもはるかに簡単なものになるだろう。ユーザー自身が使えるセルフサービス型の製品にしたい。もちろん高度なサービスも提供するが、それも簡単に使えるものにするつもりだ」(カント氏)

 同氏によると、顧客向けサービスとしてバックアップ機能を提供したいと考えているISP(インターネットサービスプロバイダー)の間でも、Zmandaの採用が拡大しているという。新しいコンソールデザインでは、こういったサービスプロバイダーがバックアップタスクを管理するのを容易にするための工夫も盛り込まれる見込みだ。

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