OneNoteがOfficeの新しい顔に、使い勝手は自然なノート取りへ(2/4 ページ)

» 2006年09月01日 07時00分 公開
[Matt Rosoff,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

より柔軟なデータ整理を実現

 OneNoteは、Windowsのファイルシステムをユーザーから隠すようにデザインされているため、初期バージョンにはWindowsユーザーを長年混乱させてきた不可解な仕様がある。つまり、すべてのノートブックの入力データは、拡張子が.oneである1つのファイルとして“マイノートブック”フォルダに保存されるが、複数のノートブックを作成することはできない。代わりに1つのノートブックを複数のセクションに分割する必要がある。また、このようなシステムでは、.oneファイルが壊れた場合、OneNoteのすべてのデータは失われてしまうため、データ喪失のリスクも高くなる。

 この制限がOneNote 2007では取り除かれる。OneNote 2007では、必要な数だけノートブックを作成でき、ファイルシステム内の任意の場所に保存できるようになる。OneNoteが目指す紙のノートのような使い勝手という点では、新しいインタフェースのノートブックバーを使用することで、ファイルシステムを使わないノートブック間の移動を実現している。

 またOneNote 2007では、ドラッグアンドドロップ機能の強化や、ノートブックセクション内のページにセクションのタイトルではなく各ページ固有のタイトルを付けられるようになった。

ノート間の相互参照や音声/画像中のテキスト検索が可能に

 OneNote 2007では、ノートブックに保存しているデータの検索を容易にするための強化も幾つか施されている。特筆すべきは、2つのノート間にハイパーリンクを設定して、ノート間の相互参照が可能になった点だ。また、ファイルシステムに保存されているファイルへのハイパーリンクの設定も簡素化されている。

OneNote 2007でのノート間のリンク設定
 OneNote 2007では、ノート間のリンクが可能だ。この画面はこのページ上のノートにハイパーリンクを設定する様子を示している。まず任意の段落を選択し、これを右クリックして表示されたメニューから“Copy Hyperlink to this Paragraph(この段落へのハイパーリンクをコピー)”をクリックする。
 次に、コピーしたハイパーリンク情報を任意のOneNoteノートブック内の他のノート(テキストまたはインク)に貼り付ける。ハイパーリンクが設定されると、Webページやファイルシステム内の場所へのリンクと同様に、下線が引かれた青いフォントで表示される。
 この画面では、“Spaces Relaunch”という文字に、ほかのノートブックのページへのリンクが設定されている。


 OneNote 2007は、Windows Vistaに搭載されるWindowsデスクトップサーチエンジンを使用して、入力されるデータのインデックスを作成する。したがって、Windows XPユーザーは無償で提供されているWindowsデスクトップサーチアプリケーションをダウンロードする必要があるが(OneNoteを起動するとダウンロードするよう促される)、OneNote 2003で提供されていた検索テクノロジーに比べて、より包括的な検索結果が得られるうえ、パフォーマンスも向上する。

 また通常のテキスト検索に比べて精度は落ちるが、OneNote 2007ではMicrosoft Researchが開発したテクノロジーを使用して、オーディオストリーム中(ビデオの音声など)の語句や、画像中(スキャナで読み取った名刺やドキュメントにインポートされたイメージなど)の文字列のテキスト検索が可能である。

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