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» 2006年09月04日 18時07分 公開

シャラポワのショットの軌跡も――全米オープンサイトを支えるIBMの仮想化技術

全米オープンテニスのWebサイトを運営するIBMでは、そのインフラに仮想化技術を活用し、サーバの統合と負荷分散を実現している。

[Jeffrey Burt,eWEEK]
eWEEK

 IBMは仮想化技術と管理ソフトを組み合わせることにより、今年の全米オープンテニスのWebサイトをホストするのに必要なサーバの台数を大幅に削減することができた。

 ニューヨーク州アーモンクを本拠とするIBMは、「Virtualization Engine」技術を「Enterprise Workload Manager」などのソフトウェアと連携させることにより、このイベントに必要なサーバの数を60台から9台にまで削減した。しかも全米テニス協会(USTA)のWebサイトには、これまで以上に多くの機能が組み込まれている。

 IBMとUSTAの協力関係は約15年前から続いており、4大テニストーナメントの1つである全米オープンのWebサイトもIBMが運営している(関連記事)。今年の全米オープンは、8月28日から9月10日までニューヨーク州フラッシングメドウズで開催される。

 IBMでスポンサーシップマーケティングを担当するプログラムマネジャーのジョン・ケント氏によると、昨年までは、同社はPowerプロセッサ搭載の「System p」シリーズとIntelプロセッサベースの「System x」シリーズを組み合わせて使っていたという。同社は今回、9台の「p550 Express」サーバを使用している。これらは2〜4ソケット型システムで、多数のソフトウェアやミドルウェアが組み込まれている。

 「9台のサーバは、米国内に分散した3カ所のサイトに等しく分けられているが、これは運用対象のシステムの冗長性を高めるためだ」とケント氏は説明する。

 IBMは、仮想化技術を利用して多数のアプリケーションを個々の物理サーバに集約することにより、設置面積を減らす(サーバの台数が少なくなるため)とともに、電力/冷却コストの削減を実現した。

 「データセンターと同じく、設置面積、電力および冷却はいずれもコストの一部である。われわれはp550に移行することで、電力と冷却に掛かるコストを削減した」とケント氏は話す。

 ケント氏によると、IBMは3カ所のサイトを利用して、ほかの4大テニストーナメントやマスターズゴルフトーナメント、トニー賞などのイベントもホストしているという。

 データセンター内のシステムの台数を削減したいと考えている企業にとって、仮想化が重要な技術になってきた。調査会社のEnterprise Management Associatesが8月31日に公表したレポートによると、回答企業の約76%が仮想化技術を導入しており、そのうち約64%が社内のアプリケーションサーバ環境で同技術を利用しており、47%がWebサーバ用に利用している。

 仮想化の主な目的として、65%の企業がサーバの統合と答えているが、事業継続と災害復旧が最大の懸念だとされている。

 全米テニス協会で先進メディアを担当するディレクター、ジェフ・ボルク氏によると、同協会にとって必要なのは、「usopen.org」サイトに新機能を追加できるようにする一方で、トラフィックが増加するトーナメント開催期間中でもシステムがダウンしないようにすることだという。

 「全米オープン開催中の14日間で、通常の数カ月分に相当するトラフィックが集中する」とボルク氏は話す。

 同氏によると、2005年の2週間のトーナメント期間中、全米オープンのWebサイトには450万人のユニークユーザーが訪れ、2100万件を超えるヒット数を記録した。これは通常時の約50倍のトラフィックだという。

 今年、サイトに追加される新機能の1つが、「PointTracker」と呼ばれる機能である。これはIBMが開発した技術で、サイト訪問者は競技の最中にショットの軌跡やボールの弾道を見ることができる。また、アーサー・アッシュ・スタジアムとルイ・アームストロング・スタジアムの立体表示や、既に終了した競技を観戦できるアーカイブといったアップデートもサイトに追加されている。

 そのほかの改良点としては、競技中のスコアおよび関連情報をライブで表示する「On Demand Scoreboard」アプリケーションや、トーナメントで初めて採用されたインスタント再生技術に関連した情報のオンライン表示などがある。

 ボルク氏によると、「サイト上でゲームをファンに接近させるための最善の方法」を決定することが総合的な目標だという。

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