先輩から学ぼう、みんなで考えよう、「女性エンジニアの生きる道」Women In Technologyルポ(2/3 ページ)

» 2006年09月07日 08時00分 公開
[吉田育代,ITmedia]

女性エンジニアはもともとの資質を磨くべき

 進行役のマイクロソフト コーポレートマーケティング本部本部長の岡知子氏から「IT業界で生きる上で身に付けてよかったスキルは?」という質問が発せられると、両氏はこう答えた。

 「ITスキルそのものはあまりに時間が経っており、今は人事関係の仕事にシフトしたこともあって役に立っていないが、人を説得するのに統計やグラフなど客観的な手法を利用したり、仕事と家庭の両立や職場の人間関係など、難しい問題に直面しても考えて考えて、考え抜いて答えを導き出すという習慣は、ソフトウェア開発で培ったものだ」と内海氏。

 一方、白井氏は、「ITスキルももちろん重要だが、女性エンジニアはもともと資質のあるプロジェクトマネジメント力やコミュニケーションスキルを磨くといいと思う。また、すべての女性がそうというわけではないが、感情的と思われがちなところがあるため、自分なりのプレゼンテーションスキルや、まず結論を言ってからその理由を説明するロジカルシンキングを身に付けるのも有効だ」と語った。

日本ユニシスの白井久美子氏(左)、NECラーニングの内海房子氏(右)

ソフトウェア開発の仕事に就くまでに12年

 にこやかに語るお二人だが、過去には苦労も多かったようだ。内海氏の場合、本来希望していたソフトウェア開発の仕事に就くまでに12年かかった。

 「仕事を任せてもらえないまま、自分のキャリアが終わってしまうのではないかという不安は相当なもので、無事異動を果たした後は恐ろしく多忙になったが、仕事がなくて悶々としていた時代よりはるかに幸せだった」(内海氏)

 この経験から“自分は長く働くつもりだ”ともっと早くから上司に告げておけばよかったと反省したという。

 白井氏が反省という観点で言及したのはタイムマネジメントについてだった。仕事と家庭の両立を目指し、恒常的に時間がない人生を送ってきた。

 「速読のような情報処理技術をもっと早くに学んでいたら時間をもっと有効に使えたかもしれないし、もっと早くコエンザイムQ10などを飲み始めれば、肌の状態も少しは違ったかも」と語り、会場の笑いを誘った。

 最後に岡氏は両氏に後輩たちへのアドバイスを求めた。それに応えて白井氏は、まず自分がどれだけ働きたい人間かを見つめた上で、ライフステージに合わせたキャリアプランを立てることが大事、と語り、内海氏は、仕事は本来楽しいもの。自分は何をしているときが一番幸せかを考え、長期的な視野に立ってその方向に進むことを考えてほしい、と締めくくった。

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