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» 2006年09月08日 14時23分 公開

ERP導入の成否を分けるマスター統合

日本オラクルは9月7日、製造業向けアプリケーションについての事業戦略を紹介する記者説明会を開催した。同社が製造業向けのアプリケーションを展開する上で最も重視している課題は、マスターデータの統合だ。

[怒賀新也,ITmedia]

 日本オラクルは9月7日、製造業向けアプリケーションについての事業戦略を紹介する記者説明会を開催した。同社のアプリケーション戦略では、サプライチェーン向けのソフトウェアとしてG-Log、Demantraを買収。一方で、業種別ソリューションとして、流通小売業界向けにRetek、ProfitLogic、360Commerce、金融業界向けにi-Flex、通信業界向けにPortalなどを提供。Fusion Applicationsによるフットプリントとしてビジネス展開する考えだ。

 同社が製造業向けのアプリケーションを展開する上で最も重視している課題は、マスターデータの統合だ。また、マスター統合によるグローバルでのビジネスの最適化や、迅速で的確な経営判断を可能にする環境の提供も視野に入れている。

 世界でビジネス展開している企業では、日本、米国、欧州、中国などにそれぞれ工場や販売会社を抱えている。そこでの典型的な課題として指摘されるのが、ある部品について各国の組織ごとに異なる品目コードを振っている、といった問題だ。これでは、実際は同じ部品であるにもかかわらず異なる部品として処理されるため、在庫不足の際の無駄な発注につながったり、大量発注による割引を受けられなくなったりするなどのデメリットがある。

 また、SCMソフトウェアによる需要予測において、同じ部品を異なる名称で管理していたのでは、予測の最適化などおぼつかないのは明らか。つまり、SCMに限らず、エンタープライズアプリケーションは、扱うデータが正規化され、高い品質を維持していなくては意味がないことを示している。

 具体的に、同社が課題として認識する「グローバル統合マスター」には、製品コード、製品情報、部品・調達品、取引先などが含まれる。そして、グローバル統合マスターに、販売、在庫、予算、生産、購買、原価、品質といった日々のトランザクションデータを実装することで、業務改革を行うイメージとなる。

 そこで、日本オラクルは、データベース、ミドルウェア、アプリケーションまで、すべての層で製品を提供し、さらに、データハブをはじめとした「データ中心」を意識した業務の仕組みを構築できることを強みとしてアピールしている。

 この日は、ユーザー事例として、Oracleを基盤にしてグローバル部品マスターを構築した東芝テックの事例が紹介された。東芝テックでは、技術者が必要とする部品情報が散在しており、それを一括して見られる仕組みが求められていた。

 さらに具体的な目的は、設計段階における標準推奨部品の採用を拡大することだった。それにより、調達コストの削減、環境規制への対応、部品流用の推進、SCMコストの削減といった効果を見込んでいる。

 また、調達段階においては、購買実績、サプライヤー情報の共有と活用を図った。これにより、集中購買や海外調達が可能になることによるコスト削減を目指している。

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