Webサービスが「テクノロジーto doリスト」のトップに

2位はビジネスインテリジェンスで、2年間トップだったセキュリティは3位に転落した。

» 2006年09月20日 17時45分 公開
[Stan Gibson,eWEEK]
eWEEK

 Webサービスはどこからともなく現れ、2006年のトップテクノロジーとして浮上したと上級IT幹部を対象とした調査で明らかになった。

 2006年5月にSociety of Information Managementの139人のメンバーを対象に行われた調査で、回答者はWebサービスを「テクノロジーto doリスト」のトップとして挙げた。Webサービスは前年の調査では、上位6位に入っていなかった。

 この調査結果はSIMの年次SIMposiumで発表された。IT関連の予算・給与の増加が、IT全般に関して続く強気な見通しと、2000〜2004年のITを取り巻く弱気な見方が逆転したことを反映していることも示された。

 「潮流が変わり、景気が良くなった。スタッフと給与を増やしている」とジェリー・ラフトマン氏はSIMのメンバーへのプレゼンテーションで語った。同氏は、調査サンプルはさまざまな業種や規模の企業が参加するSIMのメンバーの断面を示していると語った。

 2年間リストのトップだったセキュリティは3位に転落したと調査報告書を書いたラフトマン氏は言う。同氏はスティーブンス工科大教授で、ISプログラム副学部長で、SIMの学術界問題担当副社長。

 ラフトマン氏はセキュリティへの関心の減少はおそらく、IT専門家がここ数年でITシステムを攻撃に対してより強固にしたと確信していることを反映しているのだろうとしている。

 ビジネスインテリジェンス(BI)はWebサービスに次いで2位、その後にセキュリティ、業務プロセス管理、顧客ポータル、システムインテグレーションが続いた。ラフトマン氏は、Webサービスへの注力は、仮想化およびSOA(サービス指向アーキテクチャ)への注力と関連していると語る。同氏は、SIMメンバーはシンクライアントと仮想化技術を備えたメインフレームなどのサーバをもっと活用するだろうと語っている。

 今回の調査報告書は全体的に強気な論調だ。「2007年の見通しは非常に明るい」とラフトマン氏は取材の中で語った。同氏は、予算は全般的に横ばいか増加したとしている。「これは朗報だ。来年は84.6%が予算を今年から引き上げるか据え置くと予測している」

 前向きな結果の1つは、11.1%が企業予算の10%以上をITに割り当てていると答えたことだ。昨年は6%だった。また70%がITスタッフを増やすか据え置くと答えた。さらに朗報なのは、64%がスタッフの離職率が5%未満だと答えたことだ。「離職率が20%程度だった数年前より良くなっている。雇用が増え、リテンションのレベルも高い」とラフトマン氏。

 このほか、SIMメンバーの最大の懸念はITと事業戦略の歩調を合わせることだった。2番目は、雇用の回復が続いていることを反映して、IT専門家を引きつけ、引き留めることだった。これらは昨年の調査で1位と2位だった。ラフトマン氏は、ITスタッフを引きつけ、引き留めることは3年前は上位10位に入っていなかったと指摘する。複雑さを減らすこと、業務プロセスのリエンジニアリングは上位10位から完全に消えたと同氏は指摘した。

 同氏は、2007年リリース予定のWindows Vistaの導入予算は、来年の予算では組まれていないと考えている。「Vistaにどんなビジネスケースがあるというのか? IT予算に占めるソフトの割合は横ばいだ」。一方、ハードとネットワーキングの予算は2007年に増加すると同氏は語る。

 調査では、オフショアアウトソーシングがIT予算の4.2%を占めていることが示された。昨年の3.1%よりも上昇している。この数値は来年には4.8%に上昇する見込み。ラフトマン氏は、この調査で、一部の企業はオフショアアウトソーシングを試みたが失敗し、その費用をゼロにしたが、オフショア予算を劇的に増やした企業もあることが明らかになったとしている。ほとんどの回答者は、オフショアアウトソーシングをまったくしていないという。

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