9月のMS月例パッチを総括――疑問視されるリリースパッチの質（2/2 ページ）

» 2006年09月22日 07時00分 公開
[Michael Cherry，Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版
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　もう1つのアドバイザリは、Microsoft Windows XP SP1およびSP2により再配布されたMacromedia Flash Playerに存在する既知の脆弱性に対応する更新プログラムがAdobeからリリースされていることをユーザーに告知するものである。

　また、優先度の高い非セキュリティ更新プログラムも3件リリースされている。Windows用とWindows XP用の更新プログラムが各1件と、Outlook 2003の迷惑メールフィルタの月例更新プログラムである。

　そのほか、先月までと同様に、悪意のあるソフトウェアの削除ツール（MSRT）も更新され、今月は新たに2種類のマルウェア（Win32／Bancos、Win32／Sinowal）を検出および削除できるようになった。

Windows Media DRM保護解除問題に対応

　9月にMicrosoftはWindows Mediaデジタル著作権管理（DRM）による著作権保護が回避されてしまう問題に対応する更新プログラムをリリースしている。Windows Media DRMは、Windows Media形式のオーディオまたはビデオファイルの製作者または配給業者が、エンドユーザーの操作を制限できるようにするテクノロジーである。

　例えば、レコード会社の場合、Windows Media DRMを使用して、ダウンロードした楽曲を複数のコンピュータにコピーできないようにしたり、サブスクリプション料を支払わなければある一定の期間が経過すると再生できないようにすることができる。

　この更新プログラムは、Windows Media DRMの問題を利用して保護を回避するツールが一般に騒がれはじめて間もなくリリースされている。この対応の素早さから、Microsoftでは通常のセキュリティ修正プログラムのリリースよりも早いペースでDRMの更新プログラムをリリースしているように思える。しかし、同社では2006年8月にこのDRMの問題を確認しており、その後すぐに更新プログラムのリリースに向けて作業を進めていたという。

　ただし、MicrosoftはDRMによる保護の回避または解除に関する問題への対応プロセスと、セキュリティホールへの対応プロセスは異なっていることを認めている。DRMはMicrosoftとデジタルコンテンツ所有者にとってますます重要な技術となってきている。DRM保護回避の問題とそれに伴うアップデートは今後も発生することになるだろう。

2006年9月のMSセキュリティパッチ

セキュリティ情報／セキュリティアドバイザリ 深刻度 影響を受けるソフトウェア サポート技術情報 旧バージョン
MS06-054：Microsoft Publisher の脆弱性により、リモート コードが実行される 緊急 Office
Publisher		 910729
MS06-052：Pragmatic General Multicast (PGM) の脆弱性により、リモートでコードが実行される 重要 Windows XP 919007
MS06-053：インデックス サービスの脆弱性により、クロスサイト スクリプティングが行われる 警告 Windows 920685
MS06-042：Internet Explorer 用の累積的なセキュリティ更新プログラム 緊急（再リリース） Internet Explorer 918899 MS06-42（バージョン2.0）
MS06-040：Server サービスの脆弱性により、リモートでコードが実行される 緊急（再リリース） Windows 921883 MS06-040（バージョン1.0）
セキュリティアドバイザリ：Windows用の更新プログラム 　 Windows 922582
セキュリティアドバイザリ：Adobeセキュリティ速報：APSB06-11：Flash Playerの脆弱性を解決するアップデート 　 Windows 925143

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