このスペックなら勝てる? Zuneが挑むiPodの独占市場(2/4 ページ)

» 2006年09月28日 07時00分 公開
[Matt Rosoff,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

ハードウェアとユーザーインタフェースの特徴

 AppleのiPodのように、Zuneの製品パッケージはシンプルですっきりしている。Microsoftはパッケージに、テキストとロゴをくどいデザインで掲載することはしなかったが、同社のパッケージデザインにはそうした傾向があり、それをパロディにした社内ビデオが社外にも広く出回っている。

 デバイス本体は、Microsoftが設計し、東芝が製造する(製造パートナーは今後増えるかもしれない)。30GBハードドライブと解像度320×240の3インチカラー液晶を備え、サイズと重さは標準モデルのiPodに近く、iPod nanoよりも大きい。MicrosoftはiPodよりもカジュアルなルック&フィールを狙い、表面をソフトな質感にしており、白、黒、茶色の3色のモデルがラインアップされる。

 Zuneのバッテリー駆動時間は、音楽再生時が最長12時間、ビデオ再生時が同3.5時間で、同容量の30GB iPodより若干短い。ただ、ユーザーが無線機能を有効にすると、バッテリー駆動時間はこれらよりも短くなる。

 ZuneにはないiPodの1つの重要な機能は、クリックホイールだ。クリックホイールは、大量のコンテンツライブラリをスクロールして操作するのに便利だが、特許で保護されている。Zuneはクリックホイールの代わりに、丸いナビゲーションパネルと方向ボタンを備えている。ユーザーが膨大な曲をスクロールして操作しやすいように、ユーザーがこれらのボタンを押しているとスクロールが高速になり、画面には、スクロール中の曲のタイトルのアルファベットが大きく表示される。

 また、Portable Media CenterやWindows Vista Media Centerのユーザーインタフェース(UI)のように、Zuneでは状況に応じて、メニューが画面中央に縦に並んで、あるいは上部に横に並んで表示される。iPodの階層型メニューよりも複雑だが、これによってユーザーは、iPodよりも多様なコンテンツにより素早くアクセスできる。

 MicrosoftはZuneの画面を縦長にすることで、画面サイズをiPodよりも大きくし、音楽の再生中にアルバムアートなどの画像が見栄えよく表示されるようにしている。一方、画面が縦長だと、写真やビデオを見るには本体を横向きにしなければならない。Zuneのデザイナーは、非常に簡単に向きを切り替えて操作できるようにしている。Zuneのコントローラは、本体の向きが変わるのに応じて機能の配置が自動的に変わるようになっており、本体背面の切れ込みは、ユーザーが適切な位置に親指を置くための目安になる。

 Zuneの画面表示は、再生されるビジュアルコンテンツに合わせて自動的に向きが変わる。写真やビデオを表示する場合、この写真のように、Zuneはそれらを自動的に横長表示にする。コントローラも、再生されるコンテンツのタイプに応じて自動調整される。
 例えば、音楽の再生時は、巻き戻し機能はコントロールリングの左側に位置する。だが、(この写真のように)横長のビデオの表示時は、巻き戻し機能は、コントロールリングの画面に最も近い部分(デバイスを縦向きに持った場合のリングの最上部)に位置する。

コンテンツの共有と多様な形式のサポート

 Zuneは、コンテンツを入手して再生するための機能としてユーザーがiPodやそのほかのプレーヤーに求めるようになったものをほとんど備えている。Zuneのこうした機能には次のようなものがある。

  • 音楽とビデオを再生(プレイリストやジャンルでコンテンツを整理することもできる)、デジタル写真(JPEG形式)を表示
  • PCからUSB 2.0接続でコンテンツを転送(Zune側のコネクタは独自仕様のもの)
  • 写真から音楽入りスライドショーを作成
  • 音楽再生中にアルバムアートを表示

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