例えば、クライアント/サーバ型のモデルでいうとクライアント側、エンドユーザーの側に過度に情報やITリソースを置くことで小回りが利きにくくなる側面があります。
最近、事業部の統合・再編、あるいは分社化、買収などに伴い、企業のビジネスモデルが組み替えを余儀なくされています。そのとき、クライアントとサーバがあまりにも緊密に結びついているシステムでは柔軟性に乏しく、そこが足かせになりかねません。買収・統合した組織にアプリケーションを迅速に配備しなければならないのですが、ユーザーが数百、数千ともなると大変です。
大きな組織ともなると、クライアントPCもOSもばらばらだったりします。これまでのITシステムでは、場合によってはOSだけではなく、PCもすべて買いそろえなければならないケースもあるでしょう。
シトリックスのソリューションは、アプリケーションをセンター側で集中管理することによって、ダイナミックなビジネスモデルの組み替え、あるいは組織の統廃合に対して「アジャイル」(俊敏)に、しかも最小限のコストで対応できます。
新しい組織に1週間でアプリケーションを配備できる会社もあれば、半年かかる会社もあるとすれば、それは競争力の大きな差となってしまいます。経営者の本音は、1日で済ませたいはずです。
出来る限り、市場の動きに対して柔軟に対応していくことは、多くの経営者にとっての課題です。それに対するシトリックスの回答が、「アプリケーションの仮想化」なのです。
情報セキュリティや内部統制というニーズももちろんありますが、むしろシステムに柔軟性をもたらし、ビジネスモデルをダイナミックに組み替えられることこそが企業の求めていることではないでしょうか。
やはり情報セキュリティや内部統制は、どちらかというと事故を起こしてはいけないという「守り」のニーズだと思います。それだけではなく、企業はコスト削減し、素早く変化に対応できる、柔軟に組織改編、ビジネスモデルの組み替えに対応できることを求めており、そうした「攻め」のニーズにもわれわれのソリューションはこたえるものです。
従来、シトリックスのソリューションは、ネットワークの帯域幅が狭くてもアプリケーションが快適に使える、といったことが強調されていたかと思いますが、変化への対応力をもたらすアクセスの柔軟性の方がさらに重要ではないでしょうか。
北米市場を中心に、シトリックスのソリューションが積極的な投資対象として捉えられるようになっており、Citrix Systemsの第2四半期の売り上げは前年同期比で30%増となる2億7500万ドルに達しています。もちろん、日本法人もそれを上回る伸びを見せています。
ITmedia 5月のReflectent Software、そして8月のOrbital Dataと、相次いで買収しています。
大古 われわれのソリューションがアクセスのためのインフラストラクチャーへと拡充されてくると、それに伴い、顧客らも特定のアプリケーションだけでなく、より多くのアプリケーションをCitrix製品の上で利用するようになってきます。そうなると、アクセスポイントもLANだけではなくなり、ネットワークの帯域幅が恵まれたところとは限らなくなります。
エンドユーザーに快適なアクセスを提供するためには、WAN上のアプリケーションデリバリーを最適化するOrbital Dataのソリューションや、アプリケーションのパフォーマンスをエンドユーザーの視点で監視するReflectent Softwareのソリューションが意味あるものになってきます。
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