シマンテックの牙城は揺るぐか?――激戦のセキュリティソフト市場クライアントセキュリティ大作戦!(1/3 ページ)

セキュリティソフト市場で首位を独走してきたシマンテックをトレンドマイクロが追撃。さらにソースネクストが急速にシェアを引き上げてきた。また、ジャストシステムが新規参入を果たすといった動きも見られ、今後のシェア動向から目が離せない。

» 2006年10月18日 07時00分 公開
[大河原克行,ITmedia]

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一強体制から、三つ巴の戦いへ

 全国の量販店のPOSデータを集計しているBCNランキングによると、2006年9月のセキュリティパッケージソフトの販売本数シェアは、シマンテックが34.9%と、トップシェアを獲得。続いて、トレンドマイクロが29.6%と第2位。そして、第3位にはソースネクストが25.9%と、まさに三つ巴の戦いであった。

 対して2006年4月のシェアを振り返ると、シマンテックが41.4%と圧倒的なシェアを獲得。常に2位のポジションを維持してきたトレンドマイクロは28.6%と、その差は実に12.8ポイントもあった。またソースネクストは、15.7%と、10%台中盤のシェアで推移するに留まっていた。

 だが、ソースネクストが今年7月に発売した「ウイルスセキュリティZERO」によって、それまで10%台中盤だった同社のシェアが、7月には一気に25.3%にまで上昇。その後、この水準を維持している。また、トレンドマイクロも、9月下旬に発売したウイルスバスター2007が好調な出足を見せ、シェアを引き上げてきたことで、3社の争いが激しくなってきた。9月下旬には、週次集計において、トレンドマイクロが首位を獲得するという逆転現象も見られ、わずか1週間のこととはいえ、業界内から注目を集めた。

王者シマンテックは「Norton 2007」で月間トップシェアを堅持

 とはいえ、依然として高いシェアを維持しているのがシマンテックだ。9月30日には、新製品として「Symantec Norton Internet Security 2007」を発売。一度首位を譲った週次集計でも、新製品を投入した10月以降は改めて首位を堅持。トップシェアメーカーとしての意地を見せた。

 同社によると、未知のワームやウイルスでも、個々のシグネチャを必要することなく、ファミリーに属するワーム/ウイルス全体を検出する新技術を採用するなど、セキュリティ機能の大幅な強化に加えて、フィッシング詐欺対策機能やファイアウォール機能などを強化。さらに、これまで指摘されていたウイルススキャンを行う際のPCのパフォーマンス低下を改善。新製品ではフォアグランド/バックグラウンドスロットリング技術を採用することで、スキャン作業をバックグラウンドで実行し、スキャン中もPCのパフォーマンスを維持できるという。

 「一歩上のセキュリティ環境を提供する製品」(シマンテック・木村裕之社長)と位置づけ、競合製品に対する優位性を訴えていく考えだ。

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