最近の仮想化ソフトウェアは、複数の物理サーバ上に動的に配置できるなど、共有環境に影響されない機能が搭載されつつある。しかし、プロセッサやメモリ、ディスク、ネットワークなどのリソースは基本的に共有しているために、物理サーバ自体に障害が発生すれば、すべてのデスクトップが影響を受ける危険性もある。
そこで、クライアントPCをブレード化し、物理的にも独立したクライアント環境をサーバ側に集約できる「クライアントブレード」と呼ばれる製品も登場している。例えば、日立製作所のクライアントブレード「FLORA bd100B3」は、インテルCore Soloプロセッサ、1GBメモリ、80GBハードディスクを内蔵するなど、オフィスのクライアントPCに匹敵するスペックを備えている。ブレードは3Uサイズのベースユニットに最大14台収納可能になっており、42インチラックを利用すると最大140台のクライアントを集約することが可能だ。
クライアントブレードは、主にクライアントセキュリティの効果を狙ったもの。仮想化によるクライアント構築までには踏み切れない企業にとって最適な選択肢として、今後注目が高まっていくだろう。
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