「ネットワークを介して空間を共有」、シスコの新テレビ会議システム

シスコシステムズは、ライブ感あふれる映像と音声でコミュニケーションできるIPテレビ会議システム「Cisco TelePresence」を日本でも発表した。

» 2006年10月25日 21時38分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 シスコシステムズは10月25日、米国でのリリースに続き、IPテレビ会議システム「Cisco TelePresence」を日本でも発表した。同社が推進するユニファイドコミュニケーションのアプリケーションの1つとして提供していく。

 Cisco TelePresenceは、大画面のプラズマディスプレイにIP電話を組み合わせ、ライブ感あふれるコミュニケーションを実現するテレビ会議システムだ。IPベースのテレビ電話/会議というとPC画面上でやり取りを行うというイメージがあるが、Cisco TelePresenceではディスプレイ上にほぼ等身大の画像がフルHDで映し出される。

 同社の執行役員、篠浦文彦氏は「Cisco TelePresenceは、ユニファイドコミュニケーションのプラットフォーム上で、ネットワークを介して同じ空間を共有できるテクノロジだ」と述べ、ひいては企業のビジネスの変革をもたらすソリューションだと表現した。

 システムは、同社のIP電話機「Cisco Unified IP Phone 7970G」とH.264準拠のコーデック装置のほか、65型のプラズマディスプレイとマイク、スピーカーなどから構成されており、専用のテーブルと照明システムまで含まれている。通話に当たっては、インフラとして同社の呼制御サーバ「Cisco Unidief CallManager」も必要だ。帯域は、ビデオセッション当たり3〜4Mbps必要になるという。

 特徴の1つは、ユニファイドコミュニケーションのプラットフォームを通じて既存のアプリケーションとの連動が可能なこと。一例として、Microsoft Outlookのスケジューラと連動してテレビ会議をあらかじめ予約しておき、予定時刻になったらIP電話からワンタッチで会議を開始する、といった使い方が可能という。

 Cisco TelePresenceには、12席用の「Cisco TelePresence 3000」と4席用の「同1000」がある。当初接続できるのは2地点間のみだが、2007年春には多地点を結んでの会議に対応する予定だ。設置のノウハウを持つと認定された「Cisco TelePresence Advanced Technology Provider」(ATP)を通じて、12月より販売を開始する。参考価格はそれぞれ4048万5000円、1069万7000円。

 シスコは引き続き、ユニファイドコミュニケーションのアプリケーションを強化していく計画だ。携帯電話と無線LANのデュアル端末を組み合わせたシステムの開発を進めているほか、既存アプリケーションにコミュニケーション/コラボレーションを統合するための開発ツールなどを提供していく予定という。

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