「今週は2時間だけください」――社内スタッフを巻き込むテクニック解決のヒント「座礁しないERP」(1/3 ページ)

ERP導入など、IT導入の際、現場各部門のスタッフの協力は欠かせないが、スケジュール管理など明確にしないと「総スカン」を食うことになる。そうならないためのテクニックとは?

» 2006年10月26日 07時00分 公開
[アイティセレクト]

労力と時間の捻出にもう一度トライしてみる

 naoIT研究所代表、増岡直二郎氏は「人がいない」という中堅・中小企業に特に顕著に出てくる問題について、次のような指摘をする。

 「もし、本当にERP導入をする適当な人材がいないというなら、最初から潔くあきらめて別の方策を探した方がいい。でも、本当にそうなのかということをもう一度考えて欲しいですね。こういう大きなプロジェクトを進めるには、中心メンバーが1年もしくはそれ以上専従するしかなくなる。中堅以下の企業でそれが許される人はいない、という事情があるかもしれない」

 しかしその事情を加味しても、解決方法は残されていると増岡氏はいう。

 「ある会社では、ERP導入に専念する人が、自分の代わりにこれまで自分の仕事の補助をしてくれていた部下を抜擢して、実務に当たらせてうまく行った例もあるのです。任せてみると、その部下は熱心に取り組んで、実務面ではERP導入にほぼ専念している上司の代役を果たしたそうです。最初は上司にしてみれば、部下に自分がやっていた仕事は到底任せられないと考えていたようですが、手続きの方法など基本的なことを教えておけば、どんどん部下がやってくれることも多いはずです。もちろん、さまざまな決定を下すのは上司ですが、実務のサポートをしてくれる人材はどこかにいないのか、と考えてみるべきです」

 人がいないという前に、自分自身の業務の見直しをして、時間と労力を捻出せよ、ということか。

       1|2|3 次のページへ

Copyright© 2010 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ