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» 2006年10月30日 17時10分 公開

政府の導入期限が機に――普及拡大を期待するスマートカード(1/2 ページ)

スマートカードには、今後10年で1億枚IDにも達する予想がある。10月27日の期限を機に、米国政府外でも普及が進む動きが目立ってきた。

[Matt Hines,eWEEK]
eWEEK

 スマートカード技術ベンダー各社は、米国政府の職員身元認定システム導入に関する新たな期限である10月27日が過ぎれば、民間部門でもスマートカード製品の普及が進むものと期待している。

 米国土安全保障省の大統領指令12(HSPD-12)では、すべての連邦政府機関が認定されたPIV(個人ID認証)スマートカードを職員に配布することを義務付けている。

 今回の期限では、国防総省をはじめとする各連邦機関が数百万枚のスマートカードを職員に配布するよう求められた。スマートカード関連のソフトウェア/デバイスのメーカー各社によると、これを機に政府部門以外でも数百万件のIDが発行される見通しだとしている。

 ActivIdentityのジェイソン・ハートCEOによると、最初に需要が予想されるのは、政府と取引のある業者、連邦機関と連携して活動する「ファーストレスポンダー」、既にスマートカードを持っている取締当局の職員などだという。ActivIdentityのソフトウェアは、国防総省が配布中の350万枚のHSPDカードをサポートする製品に選ばれた。

 「こういった職員に加え、医療や金融サービス分野などセキュリティ指向の強い業界でも間もなく、従来の認証方式に代わるものとしてスマートカードをエンドユーザーに配布し始めるだろう」とハート氏は予測する。

 スマートカードは、サーバルームへの入室やノートPCのデータの暗号化など広範な用途で活用できるため、企業は特定の用途にしか対応しない各種のシングルサインオン技術よりもスマートカードシステムの方を好むかもしれない。

 「HSPD-12は出発点だと考えている。普及に向けた今回の第一波がサクセスストーリーを提供し、また、スマートカードの利用形態を人々が目にするのに伴い、民間企業もスマートカードの応用分野の広さとコスト節約効果を理解するようになるからだ」とハート氏は話す。

 「海外でのスマートカードの普及、そしてそれが政府分野以外でのエコシステムの拡大に貢献していることを考えれば、数々の可能性が既に存在することは容易に理解できる」(同氏)

 ハート氏によると、1993年に国民医療システムの一環としてスマートカードを採用して以来、推定で8000万枚のスマートカードを政府が市民に配布したドイツの場合、民間企業がスマートカードの利用拡大を推進しており、人々は現在、銀行口座の開設やオンライン取引での認証にスマートカードを利用しているという。

 スマートカードには保持者のすべての個人情報が含まれ、その真実性は政府が証明しているため、企業はそのデータを信用し、さまざまなタスクに利用することができる。

 「銀行に行って写真付きのスマートカードを1枚渡せば、銀行はカードをスキャンし、その人のすべての個人データを政府による承認済みのフォーマットで手に入れることができるのだ。銀行口座を開設したり、各種の取引を行ったりするのが、どれほど簡単になるか想像できるだろう」とハート氏。

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