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» 2006年11月21日 16時57分 公開

JBossのフルーリ氏、MicrosoftとOracleに反撃

Red Hatおよび同社のJBoss部門は、Red Hatのオープンソースのミドルウェア/OS技術ベースに対する最近のMicrosoftおよびOracleの攻撃に対して反撃に出た。

[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 独ベルリンで開催された「JBoss World Berlin」カンファレンスでの記者会見において、Red HatとJBossの幹部らは、MicrosoftとNovellとの間で結ばれた相互運用提携、ならびに独自のLinuxディストリビューションを提供するというOracleの計画発表について、これらの動きはRed Hat/JBossの技術基盤への攻撃であるとして、容赦のない批判を浴びせた。

 Red HatのJBossのマーク・フルーリ上級副社長兼ゼネラルマネジャーは、MicrosoftとNovellの提携について、「訴訟を起こさないことが法的サポートであるとするのは、まやかしにすぎない」と指摘した(関連記事)

 フルーリ氏によると、JBossが今年、Red Hatに買収されたときに「IBM、Microsoft、Oracleから反撃される可能性が高い」のは分かっていたという。

 しかし「Microsoftの反撃はいつも法的な脅しであり、スタンドプレーを狙ったOracleの対抗策よりもはるかに巧妙だ」とフルーリ氏は語る。

 さらに、Red Hatが去る4月にJBossを買収する契約を締結したとき、同氏およびRed Hatのマシュー・ズーリックCEOは直ちに個人的にNovellのロン・ホブセピアンCEOに接触し、Microsoftに対抗するために、LinuxコアをめぐるRed HatとNovellの関係を維持しようとしたという。「しかし今となっては、レドモンド(Microsoftの本社所在地)の連中は、Novellと相互運用提携を結んだことで高笑いしているのではないかと思う」と同氏は話す。

 Red Hatで製品管理とマーケティングを担当するディレクターのスコット・クレンショー氏は、「Linuxがこれほど広く普及し、急成長を続けているのは、オープンソースコミュニティーの活気によるものだ、というのが当社の立場である。オープンソースのイノベーションモデルに対するRed Hatのコミットメントが、当社のリーダーシップの原動力である。オープンソースのイノベーションに課税するという考え方は、受け入れられない選択肢であるとわれわれは考えている」と述べている。

 Microsoftのスティーブ・バルマーCEOがRed Hatにも同様の提携話を持ちかけてき場合、Red Hatは具体的にどう対応するのかとの質問に対し、クレンショー氏は「彼がこの提携を各社に売り込み、それに応じる企業を見つけられるかどうか興味をもって見守りたい。だがRed Hatが提携話に関心を抱くことはあり得ない」と答えた。

 Oracleをめぐる問題に関しては、フルーリ氏によると、JBossはRed Hatがオープンソース分野における堅実な選択肢となるための特質を同社にもたらしたという。その特質とは、強力なサポートとサービスを提供するというJBossのプロフェッショナルな伝統である、と同氏は話す。

 「ラリー・エリソン氏(OracleのCEO)のように、オープンソースだから自分たちは何でもサポートできると主張している人もいる」とフルーリ氏は話す。しかしRed HatはエンタープライズLinux市場のリーダーであり、JBossは同社のオープンソーススタックに平均で60〜80%寄与しているという。「われわれはオープンソースのミドルウェアスタックの正規のサポーターであある」(同氏)

 今年初めには、OracleがJBossの買収に意欲を持っているという噂が飛び交った。また、同社がRed Hatの買収にも関心を示しているとも言われていた。

 ラリー・エリソン氏がRed Hat/JBossを憎んでいると思うかとの質問に対し、フルーリ氏は、「彼がわれわれを憎んでいるとは思わないが、怒っているのは確かだ。Oracleの発表がそれほど重大なことだとは思わない。Oracleが約束したことについて、同社が実際に何を実現するのか見守りたい。これはマスコミと投資家を利用した古典的な攻撃だ」と述べている。

 エリソン氏率いるOracleがLinux分野で攻勢を展開している理由について聞かれたフルーリ氏は、「たぶん彼は、JBossを買収できなかったので腹を立てているのだろう。あるいは、当社の株価を下げるのが狙いなのかもしれない。しかしこれは、彼の行動を分析するための記者会見ではない」と答えた。

 フルーリ氏によると、Red Hatがエリソン氏の戦略に対抗する手段の1つは、より多くのアプリケーションおよびサービスによって製品スタックを拡充する取り組みを強化することだという。「これは1つの対策だが、わたしが決定するのではない」と同氏は笑みを浮かべながら語った。

 一方、クレンショー氏によると、Red Hatはデータベース大手のOracleにとって急成長中のプラットフォームであるとしている。

 「だが、Oracleが発表したLinux製品はRed Hat Enterprise Linuxではない。彼らはコードを大幅に変更した。もはやそれは異なる製品であり、独自のエコシステムを構築する必要がある」とクレンショー氏は指摘する。

 クレンショー氏は、Oracleが実際に約束を果たした場合にどうするのかという判断を市場が下す必要があるとしている。それまでの間、OracleのLinux戦略をめぐってRed Hatのユーザーは3つのカテゴリーに分類されるという。関心を示さないユーザーが大多数を占め、一部のユーザーはOracleのディストリビューションに価格的なメリットを検討し、「好奇心」を持つ。さらに一部のグループは、同社の技術を「評価することを検討する」としている。

 しかし「Microsoft/NovellやOracleの動きでRed Hatの計画が変更になることはない」とクレンショー氏は話す。「Red Hatは何百ものディストリビューションや競合企業と競争してきた。Oracleの挑戦も甘く考えてはいけないと思っている。しかしこういって挑戦は、われわれにとって珍しいことではない」(同氏)

 クレンショー氏とフルーリ氏は、IBMのLinuxに対するSCOの攻撃が、業界での戦いの口火を切るものだったと指摘する。「だがSCOは弱虫だった。Microsoftは強力な競争相手だ」とフルーリ氏は語る。

 しかし両氏によると、Red Hatは今後も、MicrosoftおよびOracleと良好な業務関係を継続するとしている。さまざまな企業との「協業・競合関係」を変える必要はないという。

 「われわれは今後も、Red Hat LinuxでOracleと協力するとともに、Microsoft製品との相互運用性に向けた取り組みを続けるつもりだ」(フルーリ氏)

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