コラム
» 2006年11月30日 12時56分 公開

オープンソースにかかる訴訟の影を晴らせ

最近大手ITベンダーがオープンソース支持を打ち出しているが、特許訴訟への懸念は消えない。ベンダーはあいまいだが現実的な脅威を取り除く対策を取るべきだ。

[Jason Brooks,eWEEK]
eWEEK

 この数週間、わたしたちは大手ITベンダーがLinuxとオープンソースソフトの支持に名乗りを上げるのを目の当たりにしてきた。OracleはRed Hat Enterprise Linuxをリブランド化し、MicrosoftとNovellは相互運用性で提携し、SunはJavaをGNU General Public Licenseバージョン2.0の下で公開した。

 先週この場で言ったように、わたしたちは企業においてLinuxとオープンソースの地位が上がるのは良いことであり、顧客に恩恵をもたらすオープンソースソフトと商用ソフトの健全な競争を作り出すと考えている。

 だが、最近の発表の中には、懸念を呼んでいるものもある。例えば、MicrosoftのNovellとの提携は、Linuxとオープンソースへの重要な支持のようだが、見方を変えれば、契約条件は特許訴訟の脅威をうっすらと隠しているように見える。Microsoftは、特定のNovell顧客と非商用オープンソース開発者はMicrosoft特許に関連する訴訟を免れると述べているが、それが、訴訟を免れないのは誰かという疑問を引き起こしている。

 特許訴訟の損害補償のカードをちらつかせているベンダーはMicrosoftだけではない。Oracleはぬかりなく、有料顧客に提供している補償を提示している。Sunは、SCOが数年前にLinux訴訟を開始して以来、特許訴訟に対する損害補償を宣伝してきた。さらに、以前から損害補償は重要ではないと主張してきたRed Hatも、OracleのLinux参入を受けて路線を変え、自社の顧客に補償の約束を拡大した。

 もっと小規模なベンダーや開発者にとって、大手ベンダーの訴訟の脅しは、これから出てくるかもしれないソフトやサービスに萎縮効果をもたらす可能性がある。例えば、OracleがRed Hat Enterprise Linux(RHEL)を独自のロゴの下で再発行することを認めているオープンソースのライセンスは、地域のリセラーなどの小規模な企業に、無料のRHELクローン「CentOS」を配布してLinuxプラットフォーム市場のシェアを争う手段を与えている。だがこれら中小ベンダーは通常、大手ベンダーとクロスライセンス契約できる特許ポートフォリオを持っていない。

 大手ITベンダーは、Microsoftが先にWebサービスに関して発したような広範な特許相互不可侵条約で、エンドユーザーに対する特許訴訟というあいまいだが現実的な脅威を取り除く対策を取るべきだ。そうすれば、ソフトウェア業界に影を投げかけている雲は晴れるだろう。

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