AMD、「Opteronでデータセンターの課題を解消」

12月5日、AMDはOpteronプロセッサを中心とした最新のソリューションおよび成功事例などを紹介する初の企業向けイベント、「AMD Ignite Tour 2006 〜Discover and Accelerate〜」を開催した。

» 2006年12月05日 16時24分 公開
[柿沼雄一郎,ITmedia]

 AMDは12月5日、Opteronプロセッサを中心とした最新のソリューションおよび成功事例などを紹介する初の企業向けイベント、「AMD Ignite Tour 2006 〜Discover and Accelerate〜」を東京・港区 六本木アカデミーヒルズで開催した。

 カンファレンスはキーノートセッションを皮切りに、AMDプラットフォームを採用した事例紹介やパネルディスカッションなどで構成され、会場ではパートナー各社によるAMDプロセッサ搭載ハードウェアやソリューションの展示が行われた。

 キーノートセッションでは、米AMD ワールドワイド・コマーシャルビジネス担当副社長のケビン・ノックス氏が登壇。今日のデータセンターにおける電力消費と発熱の課題を、AMDプロセッサの利用によって解決へと導くその手掛かりを示した。

ノックス氏 米AMD ワールドワイド・コマーシャルビジネス担当副社長のケビン・ノックス氏

 データセンターにおける電力消費は、サーバを筆頭に空調や照明、バックアップ電源などの各機器によって占められている。これらのうち、全体の38%から63%と最も大きく電力を消費するのが言うまでもなくサーバ群だ。また、こうしたサーバのクーリング(冷却)のための費用は、サーバの電力代を上回っている。さらに、消費電力と冷却のためにすべてのラックスペースを利用できずにいる企業も多いという。

 消費電力と冷却の問題は、企業にとってもはや切実なものとなりつつある。米ZIFF DAVIS MEDIAが2005年11月に1177名のIT意思決定者を対象に行った調査によれば、すでに83%の企業がこの問題を認識しているという。だが、実際にどのような手法で改善を行うか、その手法を明確に見出している企業は少ない。

 ノックス氏は、こうしたデータセンターにおける数々の問題に対して、Opteronプロセッサが解決の糸口を提供できるという。Opteronプロセッサに投入されたさまざまなテクノロジーは、パフォーマンスの向上を図りつつ消費電力を低減することができ、結果的に高いワット性能(1ワットあたりのパフォーマンス)を実現する。

 Opteronに投入されたテクノロジーで例をあげれば、HyperTransportや統合メモリコントローラなどのダイレクトコネクト・アーキテクチャは、メモリやI/Oへのアクセスを高速化、さらに1つのダイ上に2つのコアを搭載するデュアルコア・テクノロジーによって、スペース当たりのパフォーマンスを劇的に向上させることができる。ノックス氏は、サーバのハードウェア台数を減らすことが最も重要なポイントであると指摘する。AMD-Vと呼ばれる仮想化技術は、1台のサーバでより多くの仮想マシンをサポートするさまざまな仕組みを内包している。こうしてノックス氏は、トータル性能を変えずに、シングルコアプロセッサ搭載の29台のラックマウントサーバが、デュアルコアプロセッサを搭載した17台のラックサーバにリプレースできたという事例を紹介した。

 Opteronはエンタープライズサーバ分野でさらに進化を続けていくとノックス氏は言う。当初より1ダイクアッド化を前提としてデザインされたOpteronは、シングルコア、デュアルコアと同じ消費電力・発熱量の4コア化が進められ、デュアルコアと比較して40%から70%の高性能化が図られているという。また、「Torrenza」(トレンザ)でのHTXスロットによるアクセラレータ開発、普及などを原動力として、AMD64プラットフォームのオープン化を進めていくと意欲を見せた。

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