「真のC&C時代が到来した」――NEC、矢野社長

10回目となるNECの「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO 2006」で、矢野社長はNGNとビジネス発展のかかわりについて講演を行った。

» 2006年12月06日 20時35分 公開
[ITmedia]

 日本電気グループとパートナー企業によるイベント「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO 2006」が12月6日〜8日まで、東京ビッグサイトで開催されている。成長戦略の最重点分野に掲げるNGN(次世代ネットワーク)とビジネスの発展をテーマに、矢野薫執行役員社長が講演した。

NGN戦略推進を掲げる矢野社長 NGN戦略推進を掲げる矢野社長

 矢野氏は、「ブローバンドや第3世代携帯電話などユビキタスインフラの普及を背景に、消費者起点のビジネスが本格化した。このようなビジネスに不可欠なのが異業種連携や安全性、利便性に優れたネットワークとなる」と、NGNに注力する背景を説明。1977年に当時の小林宏治会長が提唱したC&C(Computer & Communication)を踏まえ、「真の意味でのC&Cの時代が到来した」と語った。

DynamicCollaboration NECが提唱するDynamicCollaboration

 NECでは、企業同士の協力関係や組織、消費者といった要素を有機的に連携させるビジネスの展開を「DynamicCollaboration」と呼ぶ。矢野氏は、「DynamicCollaborationの実現には、ビジネスモデルの変革、リスク対策の強化、IT・ネットワークインフラの最適化が必要」として、NGNがこれらのテーマを推進する役割を果たすという。

 ビジネスモデルの変革には、消費者接点の活用とビジネスのプロセス自体の高速化が求められる。「従来のITソリューションは、ERPやSCMなどの業務システムに重点が置かれがちだが、NGNなどのネットワークの利活用で広告や決済などのサービス基盤、情報端末などのユビキタス接点技術といった領域にも広がる」と矢野氏。

 代表例がJR東日本の「モバイルSuica」。消費者は携帯電話端末一台で交通や流通、金融などの複数の事業者のサービスを受ることができ、決済などの処理プロセスも高速化されている。矢野氏は、「ダーウィンによれば、生物の進化では環境変化に素早く対応したものが生き残るという。ビジネス環境が変化する中で、NGNとIT技術の融合が企業の変革を支えていく」と述べた。

 リスク対策の強化については、アクセス管理や認証基盤分野を中心にITを活用した内部統制の構築が進む。また、IT・ネットワークインフラの最適化という課題について、矢野氏はサーバ統合やシンクライアント化による企業ネットワークの統合管理の促進を呼びかけた。

DynamicCollaboration DynamicCollaborationへのアプローチ

 最後に矢野氏は、「NECの強みであるITとネットワーク、半導体技術の融合、グローバルサービスの拡大によって、NGNを核とした企業のビジネス変革を支援したい」と締めくくった。

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