ここでOracle E-Business Suite 12に搭載された新しいソリューションを紹介しよう。
グローバル財務連結
より正確な財務上の意思決定を行うため、Financial Consolidation Hub(FCH)やInternal Controls Manager(ICM)、XML Publisher、Application Controls Manager(ACM)といったモジュール群を活用する。これにより、あらゆるデータ源からの財務データを集め、真のグローバル統合を実現する。また、スピード、一貫性、監査容易性を改善するために財務データの統合プロセスを自動化し、同時に、世界中の地域の標準報告書式に合わせた、会計規則の把握と適用を行う。さらに、ドリルダウン可能な洗練された財務諸表を作成するため、一般的な表計算ソフトを利用することもできる。
収益性分析
グローバルオペレーションの収益性に対する優れた洞察を達成するため、Profitability ManagerはPerformance AnalyzerやActivity-Based Managementと機能連携し、複数のデータ源を元に収益性のグローバル・ビューを実現する。ユーザー定義可能な規則や公式に基づいて収益性を計算し、地域、製品、チャネル、セグメント、顧客、組織などを含む、どんな切り口に沿った収益性の分析も可能。
プロジェクト・ポートフォリオ分析
組織の目標とグローバルなプロジェクトを連動させるためには、Project Portfolio Analysisが有用だ。NPV(Net Present Value:正味現在価値)やIRR(Internal Rate of Return:内部収益率)などの財務目標、市場シェア、成長率などの対競合企業に向けた指標に重み付けを行い、それらをプロジェクトグループ単位の複数のシナリオで迅速に分析する。
戦略的ネットワーク最適化
サプライチェーンネットワークの最適化に向けて、Strategic Network Optimization(SNO)は、在庫の合理化によって収益を拡大し、同時に動的なソーシングを通じてコストを削減する。また、供給と需要の変動を予期することで、より効果的にグローバルなリスクを管理することが可能。
グローバル在庫最適化
グローバルの在庫レベルおよびロケーションを最適化するために、Global Inventory Optimization(GIO)は、在庫の維持・管理コストを最小にしつつ、顧客サービスの最大化のための定時製品配送を支援する。相反する在庫コストと顧客サービス向上のバランスを保ち、需要と供給のリードタイムを短縮することで、最小のコストで最大の利益を得ることができる。
グローバルビジネスにおいて、業務システムを利用するユーザーは世界中に広がる。そのような条件において、多言語、多通貨、複数組織に対応していることは当然のことだ。そのような基本的要件に加え、Oracle E-Business Suite 12ではグローバルな業務フローをサポートする各種機能の追加、データ構造の変更、ユーザーインターフェイスの刷新などが行われている。以下、特徴的な業務機能の追加、変更点を紹介しよう。
グローバル会計システム
シングルデータベースを基盤に、支払請求や資金回収、購買などのグローバルビジネスにおけるグループ企業に共通する業務のシェアードサービス実現を加速する。各国に点在する複数の事業部を法人単位の壁を越えて単一組織としてアクセス可能にするため、データモデルアーキテクチャを見直し、各国の通貨や言語に対応。また、各地域の法令や規制、会計基準も単一データベースで管理することで、財務連結決算や事業部収支分析などの機能を拡充できる。
アジア向け生産管理プラクティス
今や世界の製造工場となった中国や台湾をはじめとするアジア各国の商習慣、税制に対応。これにより各国に生産拠点を持つハイテク/製造企業は、国ごとに特有の業務プロセスに対応するため、有償支給や金税(ゴールデンタックス)、出荷基準や検収基準など複数の収益認識基準への対応といった機能を実装できる。
グローバル輸送管理
先ごろオラクルが買収した輸送管理ソリューション「G-Log」の機能を、Oracle Transportation Managementとして受注・出荷モジュールや在庫管理モジュールと完全に統合。グローバルなロジスティクスプロセスをより包括的で一貫性のあるビジネスフローとして実現できる。
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