Boeingで大量の個人情報が流出

Boeingによると、約38万2000人分の現従業員および元従業員の個人データの入ったノートPCが盗難に遭ったという。ある組織の調査では、2005年2月以降、米国内のデータ流出事件で流出した情報の件数は、これで1億件を突破したという。

» 2006年12月18日 16時54分 公開
[Brian Prince,eWEEK]
eWEEK

 Boeingは、約38万2000人分の現従業員および元従業員の個人データが入ったノートPCが、12月の第1週に元従業員の車から盗まれたことを認めた。

 シアトルに本社を置く同社の担当者は、盗難の正確な日時と場所を明らかにしていないが、そのノートPCには社会保障番号、自宅の住所・電話番号などのデータが保存されていたと述べた。Boeingの広報担当のティム・ニール氏によると、その従業員は事件後、解雇されたという。

 Boeingがこういった盗難に遭ったのは、今回が初めてではない。2005年11月には、同社の16万1000人の従業員の個人データが入ったノートPCが盗まれたほか、2006年4月には、3600人分の個人情報が保存されたノートPCが盗まれた。

 「これらの盗難事件では、当社が個人または集団のターゲットになっているという証拠は見当たらない」とニール氏は話す。

 ニール氏によると、盗難時、ノートPCに電源は入っておらず、データにアクセスするにはパスワードが必要になるという。しかし同社では、今回のセキュリティ事故で影響を受ける従業員全員に通知する作業を進めている。盗まれたノートPCを使っていた従業員はその情報を保管する権限を持っていたが、それを社外に持ち出すべきではなかったと同氏は話す。

 以前の盗難事件の後、Boeingでは従業員を特定するために社会保障番号を使用するのを段階的に中止する方向で検討を始めるとともに、機密を要する個人情報や企業情報がダウンロードされる際には自動的に暗号化することも検討していた。

 ニール氏によると、個人情報が流出したすべての従業員および退職者は、クレジットモニタリングに登録する予定だという。

 今回のBoeingの盗難は、ある意味で1つのマイルストーンとなるもの。2005年2月以降、米国内のデータ流出事件を調査している非営利組織、Privacy Rights Clearinghouseによると、こういった事件で流出した情報の件数は、これで1億件を突破したという。

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