必見!あなたの会社でIMはこう使えビジネス向けのメッセンジャー Biz IM市場の幕開け(第4回)(2/3 ページ)

» 2007年01月17日 08時00分 公開
[渡邉君人(Qript),ITmedia]

Biz IMが社内連絡の定番に

 ITベンチャーのアイティーブーストも、Biz IMを利用している。システムと人材の両面から「企業のIT化支援」を推進する同社には約100人の社員が在籍し、その8〜9割がエンジニアだ。同社では社内コミュニケーションツールとして、全面的にBiz IMを利用している。外回りの多い営業スタッフは、用事が済めば小まめに会社に戻ったり、携帯電話で会社に連絡を入れたりするので、逆にIMを利用するというケースは少ない。

 その代わりに社内での連絡には、Biz IMを使っている。同社の中村崇則社長は、IMの一番のメリットを「メッセージをポップアップで通知してくれるので、伝えたいと思ったときに使えること」と話している。連絡の緊急性の高い順に、1)電話、2)IM、3)メールの順でツールを使い分けており、比較的緊急性の高いものや細かな確認事項などは、ほぼIMで処理している。100人弱の社員同士の連絡は、あまり席の離れていないスタッフへわざわざ内線電話を掛けるほどでもないし、メールを送るほどでもない、という微妙な距離間だ。

 以前は、社内のコミュニケーションツールとしてローカル内のみで利用できる無料のIMを利用していたこともあった。だが、ネットワークを越えた環境で利用できないこと、クライアントの高まるセキュリティ意識に対応できる製品の導入が必要だと考え、チャットやメッセージングなど内容のすべてがログとして残るセキュアなBiz IMの導入を決めた。同社では相手がメッセージを読んだかどうか、確認できる機能も高く評価している。

コールセンターへの導入でCS向上

 某大手通信販売会社は、化粧品や酒類、食品などを販売しており、「顧客とのつながり」を核に据えたマーケティングで、創業から数年あまりで急成長した会社だ。通販事業だけでなく、大手化粧品などのマーケティングソリューション事業なども手掛けている。

リアルタイムのメッセージングがCS向上を果たす リアルタイムのメッセージングがCS向上を果たす

 同社がBiz IMを利用しているのは事業の柱となるコールセンターだ。200人近いコミュニケーター(電話対応スタッフ)とスーパーバイザー(SV:チームリーダー)が、お互いのやり取りにIMを利用している。SVがコミュニケーターに連絡事項を伝える際の同報通信、コミュニケーターがSVにアドバイスを求めたり、SVが電話対応中のコミュニケーターをモニタリングしてアドバイスを伝える際のツールとして活用している。

 例えばSVは、顧客とコミュニケーターの会話をモニタリングしながら、「商品Aではなく商品Cを提案した方が適切だ」と判断した場合、それを勧めるようにIMでコミュニケーターへ指示メッセージを送る。その結果、コミュニケーターは顧客と自然に会話をしながら適切な商品提案が可能になるということだ。

 同社も以前は、ローカル内でのみ利用できる無料のIMを利用していたこともあったが、2年ほど前にログが取れるセキュアなBiz IMの導入を決めた。事故や災害、在庫状況など商品の配送に支障をきたす緊急性の高い情報や、1時間ごとにコミュニケーターへ報告する電話の受信率や稼働率のデータを同報で知らせる際のツールとしても活用されている。

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