Sun、「OpenSolaris」ライセンスにGPLv3を検討(1/2 ページ)

Sunが「OpenSolaris」のライセンスとして、現行のCDDLに加え、間もなくリリースされるGPLv3も検討していることを、事情に詳しい消息筋がeWEEKに明かした。

» 2007年01月18日 04時25分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 Sun Microsystemsが「OpenSolaris」のライセンスとして、現行の「Common Development and Distribution License(CDDL)」に加え、間もなくリリースされる「GNU General Public License」のバージョン3(GPLv3)も検討していることを、事情に詳しい消息筋がeWEEKに明かした。

 現在のOpenSolarisはSunのCDDLにのみ準拠しているが、同社の幹部は以前、GPLv3を含めたデュアルライセンス制を検討していると漏らしたことがある。

 前述の消息筋がeWEEKに語ったところによれば、GPLv3のリリース後にこれが実現する公算はきわめて大きいという。GPLv3は現在手直しが加えられている途中だが、近いうちに完成する見込みだ。

 匿名を希望した同消息筋は、「Solarisの次期版には、他のコミュニティーが開発したパッケージマネジメントなどのオープンソースソリューションのほか、すでにOpenSolarisで採用されている『GNU Userland』などが含まれる可能性が非常に高い。GPLv3を含むデュアルライセンス制がOpenSolarisに適用されれば、そうした取り組みはいっそう容易になるだろう」と話している。

 「システムの起動やプロセス管理、自己修復などを行うフレームワークである『DTrace』および『Solaris SMF(Service Management Facility)』は、ほかのどのオペレーティングシステムでも利用できないような、真の利便性にすぐれた開発および管理ツールを生み出すはずだ」(同消息筋)

 「そのうえ、これらにはスクリプトを用意しておくことができるという長所もある。組織がITリソースを保守管理するために利用しているビジネス管理プロセスに、簡単に組み込めるのだ」(同消息筋)

 Sunは、OpenSolarisをCDDLおよびGPLv3のデュアルライセンス制にする計画を公式には認めていないが、同社でSolarisソフトウェア担当副社長を務めるトム・ゴグエン氏はeWEEKに対し、今後はほかのオープンソース技術がSolarisにおいて重要な役割を果たすようになると語った。

 「Sunが関心を抱いている興味深い技術の1つに、GNU Userlandがある。これにコンテナのコンセプトを付け足した、似たような技術を開発することになるかもしれない」(ゴグエン氏)

 「次期Solarisでは、開発者およびシステム管理者のニーズに焦点を合わせるつもりだ。また、次期版の個々の要素を、垂直市場向けの独立したコンポーネントあるいは技術として先行提供する機会も増えるだろう」(ゴグエン氏)

 ゴグエン氏は、これらの技術を既存のネットワークに手間をかけず組み入れられるようにすることが、重要なポイントになると述べている。ネットワークの動作に干渉したり、害を与えたりせず、ユーザーが慣れ親しんだ方法で作業できる状態を維持しながら、バックエンドではオープンソースソフトウェアやスタンダードを使用するのだという。

 「DTrace(Solarisに実装されている動的追跡機能)、コンテナ、ハイパーバイザーの組み合わせが、われわれのアプリケーションに対する見方、使用法、開発法を変え、さらには汎用OSの管理法を変えるだろう」(ゴグエン氏)

 「DTraceのおかげで、われわれはより有益な、ビジネスプロセスをサポートする遠隔測定データを提供することができる。例えば、SolarisベースのストレージでDTraceを利用し、だれがいつどのデータを閲覧したのかといった有用な情報を、リアルタイムで得られるようになるのだ。DTraceは、こうした分野におけるSunの優位を確立する、強力な差別化要因である」(ゴグエン氏)

 Sunはまた、同社の最新版OSであるSolaris 10の3度目のアップデートで仮想化機能を改良し、「Logical Domains」の追加や「Solaris Containers」の強化も行った。

 Logical Domainsは動的なプロビジョニングを可能にし、「UltraSPARC T1」ベースシステム1台当たり最大32個のOSインスタンスを実行できるようにするものだと、ゴグエン氏は説明している。

 一方、Logical Domainsのインスタンス内部で動作するSolaris Containersは、ソフトウェアアプリケーションおよびサービスを隔離し、単一のSolarisインスタンス内に複数の個別実行環境を作り出す技術だ。

 「コンテナを切り離したり、複製したり、移動させたりすることで、システムリソースの使用効率を上げ、検証および導入を簡素化し、アプリケーションセキュリティを強固にできる」(ゴグエン氏)

 Sunのソフトウェアマーケティング担当副社長、ペダー・ウランダー氏によれば、同社はSolarisとハードウェアおよび稼働しているアプリケーションの統合性を高めるとともに、新たなアプライアンスや最適化された仮想化アプリケーションスタックの開発を進める方針だという。

 Sunは、最適化された仮想アプライアンスもしくはアプリケーションスタック向けの仮想OSと、データセンター向けOSの両方を開発することを目標に定めている。

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