RFIDでパレット単位で物流管理――JPRらがASPサービス

日本パレットレンタル(JPR)は、日本ベリサインら4社と共同で、EPCglobal対応のRFIDを活用したレンタルパレットサービスをASP形式で開始する。

» 2007年01月23日 19時57分 公開
[ITmedia]

 日本パレットレンタル(JPR)は1月23日、日本ベリサインらと共同で、EPCglobal対応のRFIDを活用したレンタルパレットサービスをASP形式で提供することを発表した。今回の事業にはJPRのほか、韓国のKOREA Pallet Pool(KPP)、JPRとKPPの合弁会社であるASIA Pallet POOL PTEが参加する。

 JPRではこれまで、物流用パレットの標準化を進めるとともに、使い捨てではなく企業間で繰り返し循環して使う仕組み「パレットプールシステム」(PPS)を構築してきた。今回の取り組みでは、これにRFIDタグを組み合わせることにより、PPSで流通しているパレットの流通履歴を管理し、共有できるようにしていく。

 新システムでは拠点ごとの数量ベースではなく、個々のパレット単位で管理を行えるようになる。この結果、パレットのトレーサビリティが確保でき、紛失や破損の防止につながるほか、レンタルパレット運用の効率化が図れる点がメリットだ。ひいては顧客にとっても、流通コストの低減や安心感の醸成といった利点が生まれるとしている。

 またJPRではこれまで、Webベースのパレット管理サービス「epal」を提供してきたが、同システムもEPCglobalに対応させる。2007年度中にはこの機能をさらに拡張し、パレットの上に積まれる商品そのものの情報を管理する機能を追加する計画だ。これにより、パレット本体だけでなく、それに載せて運ばれる商品名やシリアルナンバー、製造年月日などの情報を、複数の企業にまたがり、国境を越えて管理できる仕組みを整えていく。

 JPRの代表取締役社長、山崎純大氏によると「RFIDの導入には興味があるが、どうしたらいいか分からないという事業者は多い」という。また、商品個々にRFIDタグを貼り付けるのも、現時点ではコスト面から困難だ。

 今回の仕組みでは、パレット単位でRFIDタグを貼り付けて管理することにより、コスト面での問題をクリアする。同時に、ASPサービスとして複数の企業間での情報共有の仕組みを整えることで、「RFIDを装着したパレットをキーデバイスに、国際ネットワークの構築を実現していく」(山崎氏)。既に、自動車部品や食品といった分野の顧客が同システムを利用する意向という。

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