FANがもたらすファイルサービスの新たな潮流【連載第2回】

ファイルデータの利便性はビジネスユーザーの生産性を高めた。だが、生成されるデータは膨大で、企業としての管理も行き届きにくい。このような流れの中登場した、FANがファイルサービスの世界に変革をもたらそうとしている。

» 2007年02月13日 10時00分 公開
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 ファイルサーバを取り巻く環境は変化している。かつては紙が主体だった設計図や見積もり、マーケティング資料などは、今やほとんどがデータとなって社内外でやり取りされ、ビジネスが回っている。既にファイルデータなしにビジネスは動かない時代になったと言っても過言ではない。

 ファイルデータの利便性は企業の生産性を高めたが、ほぼすべてのビジネスユーザーが利用するため、生成されるそのデータ量は非常に膨大だ。ファイルを中心にした非構造化データは年率60%〜90%もの勢いで成長しており、それだけにあらゆる部門や拠点が個別にファイルサーバを増設してきた。その結果、企業として十分な管理が行き届かないという状態が生じている。ブロケード コミュニケーションズ システムズが行った調査では、企業の75%がこれらを集中管理できていないというのが実体だ。

 しかし、内部統制に注目が集まる昨今では、ビジネス上重要な位置を占めるこれらファイルデータに対しても十分な管理が求められるようになってきている。IT部門にとっては、ユーザーへのファイルアクセスを確保しながら、管理を徹底するという2つの課題に取り組んでいかなければならなくなってきた。

ファイルサービスの新たな潮流「FAN」

小今井裕氏 ブロケード システムエンジニアリング統括部長の小今井裕氏

 このような流れの中、米調査会社Taneja Groupのシニアアナリストはファイル管理のための技術を体系化し、FAN(File Area Network)と呼ばれる概念を定義。コスト効率の良いファイルデータへのアクセスと、高度なファイル管理環境を実現するインテリジェントなプラットフォームによる新たなファイルサービスの世界を描いている。そこには単にストレージデバイスやファイルサービスだけでなく、ネームスペースやファイル拡張サービスといった技術要素が盛り込まれており、IT管理者とビジネスユーザーの双方にメリットをもたらそうとしている。セキュリティや管理性、接続性が強く考慮されているのも、時代の流れに適したファイル管理の在り方と言えそうだ。

 ブロケードは、いち早くこのFANに注目。ブロックアクセスのSANダイレクタ/スイッチでSAN市場をけん引してきた同社だが、ファイルサービスの領域にも乗り出すことで、データを中心としたソリューション企業へと変ぼうしようとしている。

 システムエンジニアリング統括部長小今井裕氏は「FANの登場はSANが登場した時と同じような遷移をたどっている」と話し、SANのコンセプトをベースに、同社のノウハウを生かせると胸を張る。同社は、SANとFANを融合した次世代データセンター像ともいえる「データセンター・ファブリック」を推進しており、ブロックデータならびにファイルデータの集約化と共にSANとFANを包括的に管理しようとしている。

ブロケードのFANソリューション

 FANを対象にしたブロケードのソリューションは、グローバルネームスペースとデータ移行を支援する「Brocade StorageX」、ファイルのILMを可能にする「Brocade File Lifecycle Manager」、広域ファイルサービスを提供する「Brocade WAFS」などで構成される。

 これらを組み合わせれば、分散したファイルサーバの統合に力を発揮する。例えば、論理ディレクトリとUNCパスを対応付け、物理的なファイルの保存場所に依存せず、分散ファイルサーバ上のデータを一元管理できる「Brocade StorageX グローバル・ネームスペース」により、どの拠点にいるユーザもファイルの存在するファイルサーバ名を意識する事なく、同じパス名で必要なファイルにアクセスできるようになる。一方IT管理者にとっては、データ移行の各種ジョブを自動化する機能が用意されており、グローバルネームスペースのメリットとの組み合わせによって、ユーザーに影響のない透過的な形で、短時間にファイルサーバのデータ移行を実施できる。

Brocade StorageX Brocade StorageXはビジネスユーザーにファイルサーバの論理ビューを提供。物理的なファイルの場所という制約から逃れられる

 小今井氏は「ファイルサーバ内にあるファイルの約80%は過去30日間アクセスされていない。StorageXによって透過的なファイルアクセスを可能にした上で、さらにアクセス頻度の低いファイルを安価なセカンダリストレージに移行させる。こうすることによって、ストレージ環境を最適化でき、データの増加に対するコストを大きく下げられる」とメリットを説明する。

 ブロケードでは、こうしたニーズに対応するために「Brocade File Lifecycle Manager」も用意。データの重要性や属性(ファイルタイプやアクセス日時など)に基づいたポリシーベースでのファイル移行機能を提供し、ファイルのライフサイクルに応じたストレージ階層管理を支援する。いわばファイルデータ専用のILM(情報ライフサイクル管理)と言える機能だ。

WAN越しのファイルサーバ統合も

 ブロケードのソリューションは、拠点を超えたファイルサーバ統合へも広げることができる。分散拠点のファイルサーバを中央のデータセンターに統合する際も、グローバルネームスペースを利用すれば、ユーザーにまったく影響を及ぼさないというメリットは同じだ。ここにWAN越しのファイルサービスを高速化する広域ファイルサービスの「Brocade WAFS」を合わせれば、キャッシング技術とTCP/IP通信の最適化により、WAN越しのファイルアクセスであってもパフォーマンスが問題になることはない。ファイルデータをデータセンターに集約できれば、バックアップやセキュリティの確保といった管理を全社規模で集約できる。結果として、内部統制の確保にも役立つことになるだろう。

 これらソリューションは、先に紹介したFANの中で重要なコンポーネントとして位置付けられているものばかりだ。ブロケードが新たな取り組みを始めたFAN市場に対する強いコミットメントが感じられる。「ファイルサービスに変革をもたらし、継続的なファイルアクセスと管理の集中化を提供する」と小今井氏。ブロケードがもたらすファイルサービスの革新に今後も期待したい。

【連載第1回】すべてはデータのために――ストレージネットワークをインテリジェント化するブロケード

【連載第3回】SANに君臨するマクデータ統合後の新生ブロケード

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提供:ブロケード コミュニケーションズ システムズ株式会社
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