コンシューマー向けWindows XPのサポート延長、MSにも吉報?

Windows XPのコンシューマー版に5年間の延長サポートが追加され、企業向けWindows XPとサポートのライフサイクルが一致することになった。ただし、一方では、サポート料金が引き上げられている。

» 2007年02月22日 08時00分 公開
[Paul DeGroot,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 Windows XPのコンシューマー版である「Windows XP Home Edition」と「Windows XP Media Center Edition」のサポート期間が延長され、メインストリームのサポートフェーズの終了後に延長サポートフェーズが追加されることになった。この変更により、Windows XPのコンシューマー版のライフサイクルは企業向けWindows XPのライフサイクルとほぼ同等となった。一方、Microsoftはサポート料金の大半を引き上げており(一部のケースではこれまでの倍以上となる)、同社にとっては、コンシューマーサポートが新たな収入源をもたらすことにもなりそうだ。

サポートフェーズ

 Microsoftの企業向け製品と開発製品におけるサポートのライフサイクルは、「メインストリーム」「延長」「カスタム」の3つのフェーズで構成されている。メインストリームサポートは5年間で、その期間中はセキュリティ修正プログラムとバグ修正プログラムがすべて無償で提供され、サービスパックやロールアップが提供される場合もある。延長サポートは、これまで企業向け製品と開発製品についてのみ提供されていたもので、こちらも期間は5年間。その期間中、セキュリティ修正プログラムは無償で提供されるが、バグ修正プログラムを入手するにはMicrosoftとの間で延長修正プログラムサポート契約(Extended Hotfix Support Agreement)を結ぶ必要がある。トラブルシューティングなど、そのほかのサポートに関しては有償で提供される。最終フェーズとなるカスタムサポートは、一部の製品についてのみ提供され、特別な契約が必要で、サポートの期間は製品ごとに異なる。

 Microsoftはさらに、自社のWebサイトでセルフサービス式のオンラインヘルプを提供している。提供期間は、コンシューマー向け製品が最低8年間、企業向け製品は最低10年間だ(ただし、Microsoft Dynamics製品ラインは例外で、Webでのサポートは最低8年間となっている)。

 なお、Windows XP(2001年秋にリリース)とWindows Vista(2007年初頭にリリース)のように、バージョンアップの間隔が長い場合には、メインストリームのサポートフェーズは次期製品が発売されてから2年後まで延長されることになっている。

サポートは2014年4月まで

 コンシューマー向けのソフトウェアはこれまで、5年間のメインストリームサポートフェーズしか提供されていなかった(ただし、例外もあり、Microsoft Moneyのように、毎年更新されるコンシューマー向けソフトウェアのメインストリームサポートフェーズは3年間だ)。

 だがMicrosoftはWindows Vistaのコンシューマー版をリリースする1週間前、Windows XPのコンシューマー版であるWindows XP Home EditionとWindows XP Media Center Editionに5年間の延長サポートフェーズを追加すると発表した。

 この延長サポート期間中は、セキュリティパッチの開発が継続され、無償で提供される。追加のサポートを希望する顧客は、1インシデント(1件)ごとに料金を支払う形でサポートを受けられる。延長サポートは、メインストリームサポートフェーズの終了から5年後となる2014年4月まで提供される。

サポート料金は値上げ

 MicrosoftはWindows XPのコンシューマー版の延長サポートを発表した1週間後、Windows VistaとOffice 2007を正式にリリースし、その際、多くのコンシューマー向け製品のサポート料金を値上げした。それまでサポート料金は1インシデント当たり一律35ドルだったが、現在は以下の料金が適用されている。

  • Money 2007など、個人向け製品の一般的なサポートは従来どおり35ドル
  • Office製品の一般的なサポートは49ドル
  • Windows XPも含め、OSのサポートは59ドル
  • ネットワーキング、エンターテインメント、OSの最適化など、個々の事例に応じたサポートは79ドル

 Microsoftは新しいサポート料金について、「競合製品の状況や1人当たりのコストなどを考慮して決定した」と説明している。

 Microsoftはセキュリティ関連の問題や同社の自動更新サービスについては、今後も無償サポートを提供する。無償のインストールサポートは、これまでは無期限で提供されていたが、VistaとOffice 2007については90日間に短縮されている。サポート期間は、Vistaについては最初にアクティベートした時点からカウントされ、Officeについては初めて電話サポートを利用した時点からカウントされる。この期間中であれば、そのほかの問い合わせも2件まで無償で受け付けてもらえる。従来の製品については、無償サポート期間に変更はない。

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