アプリケーションをグリッド化するためには、6つの戦略がある。できるだけ少ない労力でアプリケーションをグリッド化したいのであれば、この戦略に基づいて作戦を立てるのがお勧めである。
アプリケーションをグリッド化するためには、単にアプリケーションをグリッドで実行するという段階から、グリッドを完全に活用するという段階までをカバーする6つの戦略がある。できるだけ少ない労力でアプリケーションをグリッド化する方法を説明するこのシリーズの第一回である本稿では、これら6つの戦略を定義し、それに適したアプリケーションの特性とその利点について述べる。
ここで紹介する記事は、developerWorksの「アプリケーションのグリッド化に関する6つの戦略 第1回:概要」です。
グリッド――魅力的に聞こえるこの言葉の裏には、その意義が十分に理解されていないという不安が常につきまとう。読者の中にも、クラスタとグリッドの違いについて聞かれたら、つい口ごもってしまう方もおられるのではないだろうか。グリッドという言葉の理解ですらこの程度であるとすれば、アプリケーションをグリッド化することについては、まだまだ意識が向けられていないと言えるのかもしれない。
アプリケーションは、グリッド上で実行できる限り、グリッド対応であるといえる。そのためには、アプリケーションにWebサービスとしてアクセスできることが必須要件となるのだが、アプリケーションをグリッド化するに当たって、要求される要件にはどのようなものがあるだろうか? 本稿ではそれを、
という6つの戦略でとらえられるとし、それらの内容を定義している。
「アプリケーションのグリッド化に関する6つの戦略」と銘打ったこのシリーズ、第2回以降の連載で、これらの戦略のうちグリッドの並行性または並列性に関する5つについて説明するとした上で、これらの戦略に適したアプリケーションの特性と、アプリケーションの実行組織にとっての利点を説明しているのが、ここで紹介する本シリーズの第1回「アプリケーションのグリッド化に関する6つの戦略 第1回:概要」である。
シリーズ第一回となる本稿では、まず前記の6つの戦略を、実装のための3つのステージ、「実行」「適合」「活用」に分類し、6つの戦略がどのステージに該当するかを説明している。そして、これらの戦略は排他的なものではなく、互いに関連したものであるとした上で、各戦略について、その戦略の主な特性と内容を定義し、それぞれを実装することの利点が説明されている。またまとめとして、どの戦略にも利点があり、ターゲットとなる戦略を一括して実装する必要はないとしている。
本稿は、次稿よりはじまる、一つ一つの戦略について掘り下げて検討する本シリーズの前提部分として、より深く理解するための総論として一読を進めるものであり、既存アプリケーションのグリッド化を検討する、あるいは要望されているすべての技術者に勧めたい。
ここで紹介した記事は、developerWorksの「アプリケーションのグリッド化に関する6つの戦略 第1回:概要」です。
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