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» 2007年03月12日 17時10分 公開

夏時間延長に伴うプログラム修正に苛立つMicrosoftユーザーたち

米国で今年から実施される夏時間の変更は、Microsoftのプログラムを運用しているIT管理者を苛立たせている。変更に合わせてプログラムを個別に修正する必要があるからだ。

[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 米国での夏時間(Daylight-Saving Time:DST)の1カ月延長が、Microsoftのソフトウェアを運用しているIT管理者に大変な苦労を強いているようだ。彼らが管理しているユーザーのシステム上で動作するソフトウェアプログラムの多くは、DSTの変更に対応するように個別にパッチを適用する必要があるからだ。

 今年のDSTの開始日は例年よりも3週間早い3月11日(日曜日)で、終了日は1週間遅い11月4日となる。

 Microsoftでは、コンピュータに特定のアップデートを適用しないと、4週間の延長期間中のシステムクロックのタイムゾーンがおかしくなる可能性がある、とユーザーに注意を呼び掛けてきた。

 「特に、Windows OSとカレンダープログラムの両方をアップデートしなければならない」とMicrosoftはサポートサイトで述べている。

 DST変更の重大性ならびに同社の顧客が直面している問題を認識したMicrosoftは、3月8日午前5時(太平洋時間)にDST Support Central Site(レドモンド、ノースカロライナ、ラスコリナスおよびインドに配備されたサポート拠点)を開設した。これらの拠点では、エスカレーション(現場で対応できない問題を責任者に連絡すること)が生じた顧客に24時間サポートを提供する。

 WindowsコアOS開発グループのスタッフチーフを務めるM3・スウェット氏は米eWEEKの取材で、「レドモンドに丸1日ずっと詰めているが、われわれの担当地域ではエスカレーションはほとんど起きていない。まだ始まったばかりであり、明日そして明後日にはそういった事例が増えるかもしれない。しかし今日は、情報やガイダンス、サポートに対するリクエストが殺到することはなかった」と話している。

 Microsoftは既に、顧客企業に必要な支援を提供すべく、各社と緊密な連携作業を進めているという。

 「満足している顧客もいれば、そうでない顧客もいる。しかしわれわれは顧客と連携し、問題解決に向けて最大限の努力を払っている」とスウェット氏は語る。

 さらにMicrosoftは、DSTに関して顧客から数多く寄せられている質問のリストを掲載した。ユーザーは、これらの質問に対する答えは簡単に検索できるという。

 Windows Vista、Exchange 2007およびWindows SharePoint Services 3.0ではアップデートの必要はないが、それ以外の多数の製品(Exchange Server、Outlook、SQL Server Notification Services、Office Live Meeting、Microsoft Entourage、Dynamics CRM、Windows SharePoint Services、Windows Mobile、Windows CEなど)ではアップデートが必要となる。

 しかしパッチの実装や動作で問題が起きているユーザーもおり、彼らはオンラインチャットサイトへのコメントを通じて不満や怒りをあらわにしている。

 MicrosoftのオンラインDSTチャットルームでは現在、15人の技術専門スタッフが毎日15時間(太平洋時間の午前6時から午後9時まで)にわたり、DSTをめぐる問題について説明や解決策を提供しているが、パッチでさまざまな問題に直面した顧客からの投稿が殺到している状態だ。

 「まったくばかげた話だ。2500ドルで標準製品を買ったのに、2年前から分かっていた問題を修正するためにアップデートするよう言われた。そしてパッチを当てると、システムがおかしくなってしまうのだ。この3週間、そして旧夏時間最後の2週間は、わたしのスケジュールの時間がずれることになるのだろうか」――あるユーザーはMicrosoftのDSTチャットでこのようなコメントを投稿した。

 同じような苛立ちを経験したユーザーもいる。「カレンダーの日付やスケジュールを呼び出そうとしても、それを表示するのに必要なフォームがないのだ。どうしたらいいのだろうか。こんなエラーメッセージが現れる人はいるだろうか――『選択したフォームは表示できませんでした。このメッセージを表示するのに必要なフォームを表示できません。システム管理者に連絡してください』」

 Microsoftのスウェット氏は、Microsoftの製品であれ、SunやIBM、Oracleの製品であれ、IT部門に多数のソリューションを配備している顧客の場合はDSTのアップデートが容易でなく、これらの顧客が現在、サプライヤーに解決策を求めていることを認めている。

 「われわれが進めている主要な取り組みの1つが、顧客に必要な解決策を提供することだ。エスカレーションが発生し、解決策が見つからないという場合には、われわれに連絡すれば、解決に至る道筋を理解できるように説明している」(同氏)

 しかしスウェット氏は、CRM 3.0用のアップデートが必要な顧客などに対して、Microsoftが解決策を提供するのが遅れたケースがあったことも認めている。

 「こういった難しいケースでは、顧客との対話を通じて、どんな選択肢があるのかを彼らが理解できるようにしている。しかしわたしの把握している範囲では、各種製品との互換性にかかわる問題は起きていない」とスウェット氏は語る。

 「これまで直面した困難の多くは、いつ何をすべきかということに対する理解の欠如に起因するものだった。既にインストールしてあるほかの製品の存在を見落としていたユーザーも多かった。そのために、Microsoftのガイダンスに正しく従わなかったり、われわれがガイダンスを修正したのに気付かなかったりしたのだ」(同氏)

 また、MicrosoftのDSTチャットルームにうまくアクセスできないユーザーもいるようだ。アクセスしようとすると、「チャットアプリケーションの読み込みで問題が発生しました。後でもう一度やり直すか、このページの下にあるContact Usリンクを使用してください」というエラーメッセージが表示されるのだ。

 さらに困ったことに、一部の顧客によると、Microsoftの電話サポートセンターにもDSTパッチの問題を解決しようとするユーザーからの問い合わせが殺到しているため、多くのユーザーがサポート担当者と話をするまでに何時間も待たされており、まったく電話がつながらないこともあるという。

 しかしこの点についてスウェット氏は、サポートセンターのログを見れば、ほとんどのサポート電話では30分以内に最初の回答を行っていると反論している。非常に技術的で複雑な問題の場合には、もっと時間がかかるという。

 「非常に複雑な問題を抱えている顧客も電話口で待たされるわけではなく、回答が用意できた時点でこちらから連絡している」と同氏は話す。

 Windows 2000やExchange 2000、あるいはその前のExchange 5.5などの製品を利用しているユーザーの場合は、既にMicrosoftの基本サポートの対象外となっており、標準のサポート契約が適用されないため、状況はさらに悲惨だ。すべてのDSTアップデートに4000ドルという費用がかかるのだ。

 MicrosoftのオンラインDSTサポートサイトによると、基本サポートの対象となる製品の場合はDSTアップデートは無償で提供されるが、「延長サポートの対象製品の場合はExtended Hotfix Support Agreement(すべてのDSTアップデートの費用は4000ドル)が必要となる。サポート対象外の製品については、Custom Support Agreementがなければアップデートを利用できない」としている。

 スウェット氏によると、Microsoftでは顧客に対して、最初にOSパッチ(931836)をサーバにインストールしてからクライアントにインストールし、次に、TZMove (931667)/TZMoveアップデート(933146)/Exchangeツール(930879) を使ってカレンダーのスケジュールのベースを変更し、それからCDO用のExchange DSTパッチ(926666)をインストールするようアドバイスしている。

 「この週末にDSTが変更されることに最近気付いた顧客のために、われわれはオンラインチャット、Webcast、電話サポートなど複数のアクセスポイントを提供することにより、ユーザーの質問にできるだけ素早く答えられるようにしている」(同氏)

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