「北米からストレージ旋風」NECがグリッドストレージを開発

NECは、グリッドストレージシステム「HYDRAsotr」を開発。Expressサーバを利用したノードを並列させ、パフォーマンスや容量を柔軟に拡張できるのが特徴。北米市場に先行投入し、順次日本、欧州、アジアなどへ展開する。

» 2007年03月13日 19時11分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 NECは3月13日、グリッドストレージシステム「HYDRAstor」を開発したと発表した。Expressサーバを利用したノードを並列させていくことで、パフォーマンスや容量を柔軟に拡張できるのが特徴。ストレージ需要の旺盛なセカンダリーストレージとして北米市場に先行投入し、順次、日本、欧州、アジアなどへグローバル展開する。NECコンピュータソフトウェア事業本部長の山元正人氏は「圧倒的な製品力で旋風を巻き起こしたい」と話した。

 HYDRAstorは、米プリンストンにあるNECの北米研究所ロバスト&セキュアシステムチームが開発したグリッドストレージアーキテクチャーをベースに開発した。同製品は、アクセラレータノードとストレージノードの2種類のノードで構成され、ニーズに応じてノードを追加、パフォーマンスや容量を強化・拡張できる。ハードウェア的にはExpressサーバを利用することになる。

 まずはバックアップなどに活用されるセカンダリーストレージとしての利用を想定しており、同じデータブロックを1つにまとめて容量効率を10分の1程度にまで抑えることができる重複排除機能や、データを複数に分割して特殊な冗長用コードを付加し3重障害でもデータの復元を可能にする分散冗長技術を搭載した。

 またノードを追加するには、接続するだけで自動的にシステムに組み込まれ、負荷分散やデータを再配置する最適化される。これにより、拡張時の負荷を低減させた。

出荷は米国から開始

 米調査会社IDCの調査によると、2010年のストレージの世界市場は302億ドル規模と予測されている。うち86億ドルがセカンダリーストレージが占め、市場の成長率は最も高い。新製品のHYDRAstorでは、セカンダリーのエリアを最初の足がかりとし、ストレージ市場7割を占める本丸のプライマリー市場へと同製品を強化していくという。

 まずは2007年7月〜12月をメドに北米市場に向けて出荷を開始し、その後日本向けに出荷する戦略をとる。既に北米の5社がβサイトを運用しているという。山元氏は「HYDRAstorで北米からストレージ旋風を巻き起こしたい」とアピールした。

 同社ストレージ製品としては初となる米国発のストレージ技術で、セカンダリーストレージでのシェア10%の獲得を目指す。

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