LinuxカーネルにVMIを組み込みへ

Linuxカーネルの次の安定版アップデートバージョンには、VMwareが提供する「VMI」(Virtual Machine Interface)という新機能が含まれる予定だ。

» 2007年03月28日 07時00分 公開
[Jason Brooks,eWEEK]
eWEEK

 Linuxカーネルの次の安定版アップデートとなるバージョン2.6.21では、VMwareが提供する「VMI」(Virtual Machine Interface)という新機能が含まれる予定だ。

 仮想化されたOSの稼働環境を提供するハイパーバイザーと通信するようにカーネルが修正されれば、仮想化されたOSインスタンスのパフォーマンスと管理性の改善が可能となる。この仕組みは準仮想化と呼ばれる。

 VMIは当初、準仮想化されるLinuxカーネルインスタンスと通信する各種ハイパーバイザーの間で共通のプロトコルを提供するため、それぞれのハイパーバイザー用に異なるフックをLinuxに組み込む必要がなくなるという触れ込みだった。

 この考え方は、権限を堅牢化する技術であるSELinux(Security-Enhanced Linux)やAppArmorのベースとなっているLinux Security Moduleフレームワークに近い。

 しかしVMwareのアプローチはカーネル開発者からの抵抗に直面したため、VMwareはVMIを修正し、「paravirt_ops」と呼ばれる独立したカーネル準仮想化インタフェースにプラグインする方式とした。paravirt_opsは、直近のアップデート(2.6.20)で安定版Linuxカーネルに実装された。

 VMIは間もなく実際に利用されるようになる見込みだ。VMwareが投入予定の「Workstation 6.0」が、VMIに対応したカーネルを利用するからだ。VMI対応カーネルは、近くリリースされる予定の「Ubuntu 7.04」などのLinuxディストリビューションで採用される。

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