NECビッグローブ、資本提携で検索連動型広告事業増強へ――クロスリスティングに出資

» 2007年03月30日 03時50分 公開
[ITmedia]

 NECビッグローブは3月29日、インターネット広告事業拡大をにらみ、エキサイトのグループ会社であるクロスリスティングと資本提携することを決定したことを発表した。「ローテーション型リスティング広告」市場で国内最大級の広告リーチを誇るクロスリスティングの提携パートナーとなることにより、重点領域の一つであるリスティング広告事業を推し進めていく考えだ。

 ビッグローブによると、同社は現在、新たな事業成長に向けて戦略的な投資を積極的に展開している。クロスリスティングとの資本提携もその一環。具体的には、ビッグローブの「ローテーション型リスティング広告」で5月からクロスリスティングの広告配信システムを採用する。ディレクトリ型検索エンジンの提供も受ける。

 クロスリスティングは、エキサイトとNTTレゾナントの合弁会社で2006年1月にサービスを開始した。「エキサイト」「goo」「@nify」「OCN」「ODN」「So-net」「DION」「hi-ho」といった大手ポータルサイトなどにリスティング広告の配信やディレクトリ型検索エンジンの提供などを行っている。今回、「BIGLOBE」を新たなパートナーに迎えることにより、広告リーチを大幅に拡大し、確固たる競争優位性を獲得することが期待できる。

 提携の概要は、ビッグローブがエキサイトからクロスリスティングの発行済み株式の5%分の株式を取得する。伊藤忠商事も今回、クロスリスティング株式を5%取得し、新たにリスティング広告市場に参入する。これにより、クロスリスティングの株主構成は、エキサイト56.6%、NTTレゾナント33.4%、NECビッグローブと伊藤忠商事がそれぞれ5.0%となる。

 また、ビッグローブはエキサイトとの連携拡大についても「併せて検討を進める」としており、今後も社外の有力事業者と積極的なアライアンス展開を推進していくことを表明している。

 なお、「hi-ho」を運営する、松下電器産業の子会社、パナソニックネットワークサービシズ(PNS)は同日、「hi-ho」ブランドで展開するISP並びにその関連事業をインターネットイニシアティブ(IIJ)に譲渡することで合意。ISP関連事業を6月1日からIIJの100%出資子会社「株式会社ハイホー」とすることを発表している。

広告単価によって、掲載順位ではなく掲載頻度が変化するタイプの検索連動型広告。広告主にとっては予算に応じた表示回数が確保できるメリットがある(NECビッグローブのリリースより)。
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